アンパンマンって怖い!なんて書くと、頭がおかしい人間のように思われそうですが、恐怖から正反対に位置しそうなアンパンマンも実は冷静になってみればクッソ怖くね?っていうのが今日のお話。
アンパンマンの恐怖とWho am Iっていう心理学のテストについて語ろうと思います。
アンパンマンはみなさんご存知、アンパンをちぎってお腹のすいた子供達に分け与える勇気百倍のヒーローです。ではなぜそんなアンパンマンが怖いのか…
アンパンマンが怖い?顔を変えると性格が変わるのはなぜか?
アンパンマンって顔が水に濡れると力が出なくなりますよね。そしてその時、ジャムおじさんが新しい顔を作り、アンパンマンに向けて投げると、新しい顔が古い顔に入れ代わり、元気を取り戻し、活動を再開します。
ちなみに勇気の花のジュースが入った特別なつぶあんで作ったアンパンなんだそうです。普段はこしあん派の僕ですが、あんぱんだけはつぶあんがいいです。うん。
その特性のあんこが入ったアンパンの顔。バイキンマンは如何にしてこのアンパンマンの顔を濡らすかがポイントで、いわゆるピンチ演出にはもってこいの特徴です。ヒーローは抜群に強くちゃ面白くない。ちょっとの弱点があるからいいのです。
ウルトラマンも3分しか活動出来ないから面白い。
ぽかすかバイキンマンにやられている濡れたアンパンマン。そんなピンチを新しい顔になった途端に大逆転!バイキンマンもはひふへほー!今日も勇気百倍アンパンマン!サイコー!
…とか思っていたんです。何度も繰り返し見ているシーン。当たり前過ぎて何も疑問も湧いてこなかった。
なんて事を考え始めたら、止まらなくなってしまいました…
アンパンマンにかぎらず、顔ってその人の大切な特徴…
男性だったら髪の毛セットしたり、女性だったら化粧したりと、顔がばっちり決まった日には、ちょっと強気にいけたりするじゃないですか。昨晩泣いて目が腫れていたりしてひどい顔になっている時は、その日1日ブルーだったりしますよね。
なぜかって、それは顔が一番見られているからです。人にどう見られているかを自分で推測することで、自分の体調とか気分が変化するって事ですね。
あなたはどうやって人のことを判断しますか?人のお腹?筋肉?お尻?つむじ?大抵の人は、顔でその人のことを判断すると思います。顔を見て、この人は田中さんだ、とか林さんだ、とか判断するわけです。
なんで判断できるのかっていうと、似てる人はいると思いますが世界で一人だけの顔だからです。顔は、人と人が関わっていく中で一番大切な「自分」なわけですよ。かっこよく言えば「アイデンティティ」です。
顔は自分が自分であるという証明
その顔にちょっと水に濡れただけで、アンパンマンは顔を交換しちゃうわけですよ。人間に置き換えたら、ちょっとすりむいたら整形するみたいなもんです。自分自身を変身させちゃうわけです。無理やりね。
整形したら、人生がバラ色になったって話は、自分自身の象徴である「顔」を人に自慢できるほど素晴らしいものにしたから、内面も自信を持てるようになったって事ですね。顔は自分そのもの。
普通、整形すると「変わる」わけです。性格とかね。人格が変わる。ってか、何かを変えたいと思うから整形するんでしょ?でも、アンパンマンは顔を変えた所で、人格が変わったりはしない。
勇気百倍アンパンマン!
元通りです。力が出なくなったのが出るようになるだけ。アンパンマンは顔を交換する前も優しいし、交換した後も優しい。完全なる人格者です。性格的な変化はなし。
なんか自分自身の大事な顔を簡単に交換できるって変だなって、ちょっと考えちゃったりするわけですよ。子供の時はそんなこと考えずにアンパンマンを観る事出来たんですけどね。
アンパンマンは君さ〜♪
という歌に対して、僕がアンパンマンになったら顔食べられちゃうのか。絶対にイヤだな…。と全力で否定していた頃が懐かしい。
いやー、それにしても僕は自分について、すごくよく考えます。世の中の人は自己概念についてどれほど考えるんでしょうか。ここで、ちょっと面白い話。
「私は誰だろうか?」と自分自身に問いかけ、思いつくまま頭に浮かんできた順にできるだけ「速く」紙に書き出していくというテストの話。
“Who am I ?”というテストです。
このテストを用いた調査結果によると、ババババッと自分は誰か?って書き出したその答えは大体の所、次のうちのどれかに分類されるようです。
- 人口統計学的特徴
- 身体的特徴
- 心理的特徴
- 心身の能力
- 重要な他者との関わりと他者からの反応や評価
- 自己自身の評価や態度
- 過去と未来についての自己像の特徴
これね。ほぼ主観。例えば、他の誰かにあいつってどんなやつ?って聞いて出された答えとは全く一致しないんです。
つまり、自分で自分を見る時は客観性がない。
自分は何なんだろうとか誰なんだろうとか一回は考えたことってありますよね?でもそれは上のテストで分かるように、基本的に、主観的にしか自分を見ることができない。客観的には自分を捉えることが出来ない傾向にあるんです。
自分のことについて、普段は気づいていない事の方が多いようです。無くて七癖っていうくらいですし。
だからこそ、自分を客観視するトレーニングが必要になってくるわけです。他人が感じているあなたと、あなた自身が感じているあなたを一致させる。
主観と客観を一致させる。そうすることで人生が生きやすくなります。
たとえば、とても苦しい時、どうして、自分だけこんなに苦しいんだろう。どうして、みんなわかってくれないんだろう…。と、そんなことを思うかもしれません。
しかし、となりの人も、人には言えない悩みで苦しんでいます。
あなたがすごい才能の持ち主で、自分は特別な存在なんだと考えているかもしれません。
しかし、となりの人も、あなたには出来ない事を持っています。
逆に、自分はなんてどうしようもないやつなんだと思うときもあるかもしれません。となりの人がまぶしく見えて仕方がない時があるかもしれません。
しかし、となりの人も自分のことをどうしようもないやつだと思い、さらにとなりの人がまぶしく見えて仕方がない時だってあるのです。
ひとりひとりが、特別な存在なんです。自分で自分のことを嫌だと思う部分があっても、他の人がその部分を好きと言ってくれるかもしれません。
わたしの髪の毛はクセが強くて嫌いなのよ…という女性に、スタイリングしやすくて素敵だよ。って声をかけてあげれば、少しはクセ毛を好きになれるかもしれません。
つまり、主観に凝り固まっている考えに、客観性が入ってくる事で救われる事もあるのです。
人の悩みの大半は主観によるもの。それを客観的にも見ることが出来るようになれば、悩みが軽くなるわけです。
アンパンマンは怖い?なんて持ち出したけど…
人って、やっぱり、主観的にしか自分を判断していないものだから、客観的に見てもらったり、自分を見つめなおしてみるって大切だと思います。
ビジネスの世界でもそうであって、自分だけでやっているとどうしても、独りよがりなものになっちゃうんですね。そこで、他の人に見てもらうか、または、時間をあけてから、もう一度自分で見てみる。
時間というのは、客観的に見れるようになる為の必須要素ですから。
なので、過去の自分の写真を持ってきて、自分分析をしてみるのも良いかもしれません。この時の自分はこうだったな。こうだったな。と。
その時に抱えていた大きな悩みは、今振り返ってみると大した事じゃなかったりするじゃないですか。それが客観的に見てるって事です。
それと同じで、もしあなたが今、大きな悩みを抱えているのだとしても、客観的に自分を見つめることが出来れば、何かしらの突破口が見つかるかもしれませんよ。
…とまぁ、今日はあまりまとまらない感じの内容でした。
ちょっと哲学的な事を言いたかったのか。
ちょっとクサイ台詞を言いたかったのか。
ちょっとアンパンマンについて言いたかったのか。
全くもってわかりません。
とりあえず今日は、どんなに嫌いな自分の顔でも、世界に一つしかないんだし、その顔を大好きだと言ってくれる人だっているんだから自分の顔を好きになってみようよ。アンパンマンみたいに簡単に交換したりは出来ないんだしさ。
っていう話をしたかったんだと思います。
友達に相談されて、ちょっと考えた事だったんで、ここに書いてみました。ちなみに僕は整形したいなぁ…なんて思ったことはないぐらい自分の顔が大好きです。
今日はそんな感じで。アンパンマンがなぜ怖いのかについて語りました。
ではでは。
野口明人
記事のおまけ:アンパンマンの誕生
僕が小学生の頃に、児童館というものがありました。家は共働きだったので、学校が終わると良くそこへ行って、母親が帰ってくる時間まで遊んでいました。
あまり記憶は定かではないんですが、たまーに紙芝居屋さんっていうのがやって来て、荷車的なものが変形して、即興の見世物小屋みたいなのを作り、紙芝居を披露してくれました。
僕はそれが結構好きで、紙芝居屋さんが来る度に体育座りをして、一番前に座って紙芝居を観ていた記憶があります。
んで、その時の演目でアンパンマンがあったんですよ。
でも、そのアンパンマンってのは、僕らがみんな知っているようなパンの顔のアンパンマンではなく、なんか変なデブだった気がするんですよね。
あの記憶は一体何だったんだろうと調べてみると、今は大変便利な時代ですね。すぐに出てきました。Amazonでも取り扱っているみたいですね。
そうそう。これです。どうやら『十二の真珠』という、やなせたかしの絵本のようです。
こげ茶色のマントに身体をつつんだ怪傑アンパンマン、いつもほほえみながら、飢えた子供のために世界のはてまで飛ぶ。
引用:『十二の真珠』やなせたかし著(復刊ドットコム)
だそうです。
ストーリー的には結構暗い話だった気がするんですよ。
デブでマントつけたおっちゃんが空飛んでアンパン配ってまわるんですけど、子どもたちからはダサいとか言われちゃってですね、それでも自分の行動はいつか世界を平和にするはずだと、めげずにアンパンを配るんです。
このアンパンマンはアンパンチなんて戦う能力はなくて、とにかく焼き立てのアンパンを配り回ることだけが、自分に出来ることだと信じて雨の日も風の日も飛び回る。
しかし、ある日、国境を越えようとした瞬間、UFOだと勘違いされて、撃ち落とされて終わるっていうなんとも救いようのない話だった気がします。
一体、何が言いたかったんや。
子供の頃の自分的には、幸福の王子の話が好きで、なんとなく話が似ているなぁ〜なんて感じて、人間って本当に酷い生き物だなと思った記憶があります。
んで、今になってこの本を手に入れて読んでみたら、この本の中のあとがきに、「アンパンというのはもう今では子供の味覚の人気者ではないようですね、残念です」とやなせたかしがコメントしております。
ちょっとしたノスタルジックの文学だったのかな。
今ではみんなに愛されるアンパンマンをみて、なんか涙が出てきました。アンパンが好きじゃなくたって、子どもたちは昔も今も勇気が大好きです。勇気100倍アンパンマン。良かったね、アンパンマン。
ではでは、またどこかでお会いしましょう(´・ω・`)ノシ