四国歩き遍路日記19日目。この旅の記録は以前旅をしながら公開していた日記を諸事情によりお蔵入りしまったものを再編集して公開したものです。
ここまで書いてみて思った事が1つ。僕があなたに伝えたいな!これはいいな!!と思う事は、ある人にとっては知ってほしくない事だったりするという事。
今日の記事の中でも、以前書いていた記事では、一番の軸となっていた部分が大きくカットされています。言ってみれば、マジシャンの種明かしのようなものを僕は行っていたのでしょう。
種を知れば人に知らせたくなる。その種を皆が知ってしまうとマジシャンはそのネタを出来なくなる。そういう感じなのかもしれません。ただ、マジシャンのそれと違って、僕としてはそれを書くことで状況が好転すると思って書いてました。
たとえば、ひとつの商品がどれだけの手間と時間をかけて作ったものかを知ってもらえたら、その商品の魅力は上がるのではないか?と思っていました。実際、この記事を読んでくれた方で、商品を買ってくれた方もちらほらいまして、ありがたい限りではあるのです。
…が、やはりそれは商売。ブログというものは全ての人に公開されたものなので、その方法を真似する人も出てくる場合もあるかもしれません。
何十年もかけて生み出してきた作業工程を丸パクリされて、巨大な資本で稼働されたら、中小企業は太刀打ち出来なくなるでしょう。
…ま、そんな感じでなるべく商品などに関わる事も気をつけて書いているのがこの記事です。
ではでは、再編集版よろしくどうぞ。
四国歩き遍路日記19日目のまえがき
歩き遍路19日目になりました。外は大雨です。それはもう、目覚まし時計よりも大きな音で土を叩きつける雨の音。こんなどしゃぶりで歩き遍路を行っているメンバーたちは一体どうなっている事だろう。
運良くお泊り接待をさせてもらっている僕は、山籠もりしながらブログをどのようにしようかと考えている1日です。
何気ない1日ですが、パンチの効いた物を見せてもらえました。
※復刻にあたり、旅先で沢山写真を撮ったものをアップすることにしました。Facebookの方へアルバムを作りましたのでよろしければ御覧くださいませ。
今日は枚数が少ないですが、日付別にアルバムを作っていますので、他の日もどうぞ。
雨の音で目が覚めて…
なにやら音がすごい。音のする方を見ると度肝を抜くほどの大雨。昨日の僕の空予報虚しく雨である。もうここのところずっと雨。「3日と続く雨はなし」という昔の人の諺もビックリだ。もやがかかりほぼ先の山が見えない。
僕は雨の音で眠れず、洗濯でもするかと外に出る。
しばらくして洗濯を終えると障子を叩く虫が登場。リズムよく、トントントントントン…と障子に体を叩きつけている。一体こいつなんて虫なんだ。よくよくみるぞ。なんとなくジブリっぽいよね。
縁側にポツンと落ちてたとあるものにモクモクした雲のようなカビが生えてた。まっくろくろすけのように見える。めーいちゃーん。
雨がずっと降っている事を足裏でも感じる。湿気がすごい。
一方、体が大きいくせに気候の変化に弱く、意外と病弱な僕はまだまだハナがとまらず今日も葛根湯。
朝ごはんとストーブ
今日のご飯は大根おろし。味噌汁と大根おろし。
先生はふと、「昨日ストーブ出しておいてって言ったのに出てないけど…」と、あねさんに言う。
「朝ごはん作るので忙しかったんよ」と、あねさん。
「これほぼ作ってへんやないか」と、先生。
「寝坊しました」と、あねさん。
僕笑う。
高齢者の車の事故の真相
そーいえば、昨日お風呂屋で入ったサウナで、高齢者の車事故で7人轢いたっていう事故を見ました。と先生に告げるとこんな講義が始まった。
僕は電波の良い所を探し、スマホで警視庁のデータを参照してみた。
引用:「防ごう!高齢者の交通事故! 警視庁」
確かに約10年前である2008年の高齢ドライバーによる交通事故発生件数は6840件で、最新の情報である去年の2016年は5703件と表示されていて、高齢者ドライバーの事故発生件数は減ってさえいた(2017年は5876件でやはり10年前と比べると減っていた)。
ちなみに、高齢者の事故の全体を占める割合は増えているように見えるが、これは高齢者の事故が増えたのではなく、そもそもの日本全体で高齢者が増えているのだ。
1つの物事から色々なことが読み取れるのだなぁ。無意識下で行われる購買意欲コントロールすげー。確かに地デジとか減税カーとかの時期に追随して何かしらのニュースあったもんな。なるほどなぁ。
こりゃー、サブリミナル効果のごとくですわ。車購入の時に、高齢者の事故がチラチラと頭に浮かんで来たら「オートブレーキ付けとこかな」って思うもんな。ふむ。ニュースってそういう効果もあるんだな。知らんかった。
これからはニュースを別の角度から見る力を身に着けよう。
雨の日には桃を使って…
ご飯を食べ終えるとあねさんが大量の冷凍された桃を持ってきた。クーラーボックスにこんもり溢れんばかりである。こんなに沢山の桃を一体どうするつもりだろう?
雨の日に干し芋作っても、なかなか乾かないし、良いものも作れず光熱費まで高くつく。そういう時は別の仕事をする。桃を使って作業する。…のだそうだ。
すると先生はとんでもなくデカイ鍋を持ってきた。写真でお見せできないのが残念である。187cmの僕が軽々一人、中に入れる大きさの鍋だ。こんな鍋一体どこに売っているのか。本当にこの小屋には何でもあるものだ。
そしてこの鍋でさえも、他の人が使っていて、廃業することで処分に困っていたものを、災害時などに大人数にカレーなどを振る舞えたらいいなと、もらったのだそう。人とのつながりと、物を大事にする心と両方に感心してしまう。
そんな鍋でジャム作るんだそうだ。これはすごい!一体何人分のジャムが出来るのか。
こんなに桃をたくさん茹でている所なんて見たことないぞ。
写真でお見せできないのが本当に残念である。企業秘密なのだそうだ。とりあえずビックリするほどの量の桃を、度肝を抜くほどのデカさの鍋を使ってジャムを作る。そういう映像を頭の中で描いてもらえると幸いである。
とりあえずどんな事でも大きな物を見ると喜んでしまう僕は、でっかい鍋で大量の桃を使って、じっくりコトコト時間をかけて作るジャムをこんなに近くで見られてテンションが上った。
雨の日に、ブログを進めるチャンスだというのに、チラチラとジャムを煮込む鍋を覗き込みに行ってしまう。これはあれだ。勉強机に向かった途端に掃除をしたくなる、あの感覚に似ている。
ブログを書かねばいけないのにジャムを覗き込んでしまう。ジャムの破壊力ハンパねー!(毎日書くはずが、徐々に溜まっていっているブログの恐怖からの現実逃避)
うどんだ!うどんだ!肉うどん!
さてさて。そんなこんなであまりブログを書き進める事も出来ずに昼の時間になってしまった。
今日のお昼は肉うどん。うどんとともにご飯を添えて。好きな豆腐も忘れずに。僕の好きな食べ物ランキング2位と3位の登場。
チュルルルっと食べ終えて、今度は先生たちのブログを手伝う。
ブログの土台は出来上がったのだが、そこに書く形が固まらないのだ。
みんなで案を出し合って進める。なんとなく会社を立ち上げたようで、企業に属した事がない僕は嬉しくなる。
今まで部屋で1人うーんうーんと考えていただけだものな。人と関わるの避けていたけど、こういう楽しさもあるのだな。
ブログ作成をしていると、あっという間に時間が過ぎる。一日が早い。
夕食にはモツ鍋、モツ鍋、鍋ラーメン!
もうご飯の時間なのか!食べてばかりいる気もするが、今日の夕食はガスコンロで作るモツ鍋だ!これが本当に体を温める。
家に籠もっている時の鍋はなんかいいね。
モツ鍋をモグモグして、ある程度食べたらラーメンを投入!
ドバーン!
ご飯も食べるよ。うふふ。
こりゃー太るなとか、思いつつ、美味しく完食。
あー、やっぱりパソコンっていいなと
あ、そーいえば、今までここのパソコンはラベル作りの時などでしか使っていなかったので、ちょっと離れにある事務所にあったのだが、そこではちょっと距離が遠いので、みんなが集まる食卓に引っ越しをしたらどうか?と提案させてもらった。
そしてやってくるパソコン。これで気軽に使えるようになった。やっぱりパソコンは本腰を入れて使うものではなく、そこにあって当然のようなものとして使った方がいいものね!
触れる回数が増えれば、上達も早い。
パソコンに全く触れていなかった先生だが、身近にあれば興味を持つようで、あねさんと一緒にパソコンに入っていた写真を見て、昔を懐かしむ。
うんうん。やっぱり写真って、記憶を呼び戻すよね。パソコンをここに持ってきて良かった。
先生は事務所には滅多に入らない。そうするとパソコンにも触れないわけで、写真を見る機会もなかっただろう。
僕が来たことも何かこの場所に風を吹かせた気がして嬉しくなる。
(…と、その当時は思ったものだが、後に先生がなぜパソコンを触らなかったのかを聞き、僕の行動は間違っていたのかもしれないと思う事になる。それはまた別の日に書くことにしよう)
ぜんざいを食べてしめる。
夜も深くなってきた頃、お腹が空いたのでみんなでぜんざいを食べながら話をした。
先生は物知りでとにかく色々な事を教えてくれる。
同じ四国でも県によって食べる魚が違うことや、魚の尾びれで、その魚がどこを泳ぐかなどがわかるという。
海産物屋をやったり、海に潜る事が好きだった先生は、魚に詳しい。
魚が苦手だった僕も、そういう知識を知ると魚がだんだん好きになってくる。
人間って面白い生き物だ。
四国歩き遍路日記19日目のまとめ
今もコトコト、ジャムが煮詰められていっています。こういう行程を見た事がなかったから、本当に新鮮。
母親がジャムを作るところなら見た事あったけど、その時は手持ち鍋で木べらを使っていちごをこう、前後にやってた。でも、今回はそんな比ではない。ありえない程の桃と、ありえないサイズの鍋だ。
そして時折、拡散器と呼んでいたマシンガンのようなものを使ってかき混ぜる。こうやってジャムを作るのだなぁ。しかもあれらしいよ、固めるやつ入れないんだってさ。
じっくり時間をかけて、昔ながらのジャム作りの製法で作るジャム。出来上がったらぜひ食べてみたいものだ。そして僕はまた太るのだ。
雨の日でも沢山の事を学べる、そんな『四国歩き遍路日記19日目』でした。
明日は晴れるかな。台風の音がゴーゴー鳴る中、眠りにつく…