四国歩き遍路日記23日目。この旅の記録は以前旅をしながら公開していた日記を諸事情によりお蔵入りしまったものを再編集して公開したものです。
年内になんとか終えようなんて思っていたのですが、この感じだと全然間に合わないですね…。
本来はお蔵入りしたものを、再チェックして、ちょっと修正しただけで出すつもりだったのです。…が、書いていると出てくる出てくる旅の記憶たち。
今日の記事にも書いてありますが、当時も毎日1記事のノルマを決めていたブログが徐々に1日遅れ、1週間遅れ、10日遅れ…。
その中でなんとか時間を作ってまとめて書いていました。まぁ、そういう書き方だったのもあって、書きたい事を忘れていたところも多々あったのです。
なので、こうして今回改めて修正版を書くにあたって、諸事情により前に書いてあった事を削除した部分ももちろんあるわけですが、それ以上に前に書いてなかった事を書き足していっています。
そうなるとやはり思った以上に時間がかかってしまっているわけですが、それはもう僕の特性だと割り切る事にしましょう。
時間はかかってしまいますが、以前書いていたお遍路日記より良いものをあなたに届けられるように書いていきたいと思います。
ではでは、再編集版よろしくどうぞ。
四国歩き遍路日記23日目のまえがき
天気も良くなり晴れ渡る空。しかし、どうやら新しい台風が発達してきている模様。
つかの間の平穏をタップリと堪能する事にしよう。今日は穏やかで、ゆっくりとした時間が過ぎていく。
先生の所の公式ブログの審査も通り、ついに完成。人様に見せられる状態になった。あとはこのブログの内容を充実させるべく、記事を増やしていかねばならないのだが…。
→他の日の四国歩き遍路日記はこちらにまとまっています、合わせてどうぞ。
※復刻にあたり、旅先で沢山写真を撮ったものをアップすることにしました。Facebookの方へ高画質のアルバムを作りましたのでよろしければ御覧くださいませ。
毛布を着る!!
目が覚めても、布団から出るのに勇気が必要になってくる今日このごろ。先生に聞くと、ここの場所は長野と同じぐらいの気温なのだそうだよ。
四国って、地図上で見ると埼玉より南だから温かいイメージを持っていたのだけれど、ここは山の上。100m上がるごとに気温は0.6度下がるらしい。それで大体長野の平地と同じぐらいの気温になるのだそうだ。
うひょー!!そう考えると埼玉よりも寒いじゃないか。脱げないヒートテックを着ている(毛深い)僕は寒さには強いと思っていたが、ここの寒さはじわじわ僕の体温を奪っていく。
さ、寒い。
そんな感じで体をブルブル震わせていると、先生は暖パンと呼ばれる物を持ってきてくれた。
見よ!このモコモコを!!これはまさに毛布!!
そう!布団から出ているのに、毛布を装備する事が出来る最強のズボンなのだ!えへへ。これからはこのズボンをお布団の中で着替えて外に出れば寒さなんてへっちゃらだい!
…それにしても本当になんでもあるな、この場所。なんでこうも僕の体のサイズにピッタリな服がたくさんあるんだろ?
うーむ。
粕汁で苦手な魚も…
暖かいズボンを手に入れた僕は早速それを装着し、朝食へ向かう。今日のご飯は、粕汁。この写真の右側のやつね。白味噌を使った味噌汁じゃないんだよ。
関東の方じゃあんまり粕汁って食卓にあがらない気がする。たまーに料亭で見るぐらいなものかしら。こっちの方じゃ寒くなると日常茶飯事で粕汁作るんだって!
いただきます。ズズズズズー。
ほほう。
この粕汁、ゴロッとしたシャケなどが入っていてお腹にたまりますな。うまー。魚苦手がどんどん克服されていく。
ごちそうさまでした。
気遣いを見抜く気遣い
朝ごはんを食べた後、パソコンに電源を入れ、作業をする。何気ない行動なのだが、実はこの朝食→パソコンという流れにはある心の葛藤があった。
実のところ、ここの公式ブログやネットショッピングサイトの制作、自分のブログの記事の更新などなど、やる事がてんこ盛りで、ちょっとずつ自分のブログに遅れが出てきてしまっている。
山の上でネット環境が常にあるわけではないので、時間の合間を縫って、スマートフォンのメモ帳に記事の下書きをしてはいるんだけれどね。遅筆な上にノートパソコンは持ってきていないので、いつも以上に更新に時間がかかってしまう。
さらには書きたい事が山盛りで、しかし、先生と話をしたい気持ちも山盛りで、矛盾の波に襲われている。
なんの矛盾か。
書くことに集中すると話をする時間がなくなる。話をすると書く時間がなくなる。しかし、話をしなければ書く内容もなくなり、書く必要もなくなる。
なくなる地獄。
あぁ。時間さえあれば。一日が26時間ぐらいにならないもんかなぁ〜。なんて思ってはみるものの、もしそうなったとしても、夜の寒さに負け、布団の中に逃げ込む僕は、きっと眠ってしまうだろう。
そしてさらに悪い事に、僕にはある気質があって、パソコンの作業に集中出来ない部分があった。
そんな僕を見かねて先生は一言こういった。
「やることあるなら、パソコンやっていていいからな」
この一言のなんとありがたい事か。
先生は見抜いているのだ。
僕はついつい先生の所について行ってしまう。金魚のフンの如く。
ほれ。なんとなく手伝いもせずにパソコンをしているとさ、気まずい気持ちになっちゃうじゃないですか。引きこもりのサガってやつなんだけれども。
「パソコンなんてやってないで手伝えよ」…そんな声が聴こえてくるわけだ。ま、幻聴なんだが。
だからね、手伝いをするという名目上、先生についていって、話をしている方が気が楽なんすよ。ついついそんな風に日常を過ごしちゃうわけですよ。楽な方に楽な方に流されるのです。だからブログも遅れるのです。
まー、要はね、極度の被害妄想的、きーつかいー(気遣い人間)なんです。僕は。ない?そういうの。やりたいことあるけど、なんかそれをやっていると人に迷惑かけているんじゃないか?って思うこと。
そんな僕の気質を見抜いた先生は、
「お前さん、気を使いすぎて疲れちゃう体質だろ?ここに来てだいぶ慣れてきていると思うけど、それでもワシから見たらまだまだ気を使いすぎている所があるから、ここを家だと思って本当に気を使わなくていいからな」
そうやって声をかけてくれているというわけです。うんうん。
言葉というのは、言わなくても伝わる以心伝心みたいなのが理想なんだろうけど、言ってくれる事で心が軽くなる事ってあるよね。言葉にする事って大切!!
思っていても、『思っている事』って見えないからね。言葉にしてくれる事で、相手の気持ちが見えるようになって、僕は安心してパソコンに向かえるわけですよ。おほほほほ。
まだまだここを自分の家だと思うほど気を抜けないけれど、だいぶ気が楽になった。
さ!昼のうちに進めるぞー!
枯れ落ち葉、落ち葉焚き
さてさて、そんなこんなで僕は朝食後から集中してパソコンに向かっていた。パソコンをしていると時間が過ぎるのが異様なほどに早いのだが、なんだか今は時間が遅い。
書くことが頭に浮かんでこねぇーーーっ!!
たまにやってくるのだ。超短期的スランプが。頭の中がまとまらない。しばらくブログをいじって息詰まっていると先生の呼ぶ声がした。
そちらに行くと先生は座り込んで、たき火を起こしていた。
その姿を写真に撮っていいとの事なのでパシャリ。
おお。なんと絵になる事か。
秋の空に煙が消えていく。
先生は、僕のブログの素材までも気にかけてくれているのだ。こんな場所で生活していますよーってのがわかったら、読者も読んでいて楽しいじゃろ?と先生。
ずっとパソコンに向かっていたので、気分転換がてら僕も体を動かし、枯れ葉を集める。桜の葉っぱの燃える匂いがする。これで燻製が出来そうだ。桜チップを使わずとも。
ほれ。良い感じの煙っしょ?この煙を何かで囲って、チーズとか吊るしておけば、燻製チーズが出来そう。燻製にハマっている友人の影響で、ちょっと前に燻製キットなるものを買おうと思ったのだけれど、結構高いんだよね…。
友人に進められた燻製道士という人。
本も出しているんだけれど、なんでも燻製に出来るんだそうだ。めんつゆ的な液体も燻製に出来るとか…。Youtubeとかで燻製の動画を見てみたけど、結構いるんだよね、燻製ガチ勢。
ま、そんな事を先生に話をしながら煙を眺めておりましたよっと。燻製の装置も自分で作った事あるんだって。本当になんでも作っちゃうな。物はあるし、アイディアはあるし、技術はあるし。
お金がなくても生きていけそうだ。
それにしても炎を見つめているとなんとなく心が落ち着くのはなんでだろうね。キャンドルテラピーみたいなのもあるぐらいだから、なにかしらの効果があるのでしょう。
僕の地元じゃ、焚き火をしたらすぐ怒られちゃうから、なかなか出来ない体験でした。うん。よい気分転換になった。
半田そうめんの話
さてそんなこんなで時間が過ぎて、お昼になった。今日はそうめんだ。尋常じゃないぐらいのそうめんがあるからなのだが、それは以前に買い物依存症の人の家からもらってきたものだ。
そこには半田そうめんの大きな段ボールが3箱あった。乾麺だからある程度は日持ちはするとは思うけれど、それでも段ボール3箱を食べきるには何年かかるだろう。
そうめんって箱にぎっしり入っているでしょ?あまり空洞なく敷き詰められている。だから言ってみれば段ボールの体積全てがそうめんなのだ。それがお腹に入る姿を想像したら…。しかもそうめんは水を吸う。もっと肥大するそうめんたち。
ざっとひとつの核家族が1ヶ月毎日そうめんを食べ続けても消費できないぐらいの量である。
そのそうめんを食べられるなら持っていって欲しいと言われたので、とりあえず僕は一箱分を実家の方に送らせてもらった。おそらく実家からさらに親戚へ分配されると思われる。それだけ大量にあった。
ちなみに、半田そうめんは、徳島県つるぎ町で作られている伝統的なそうめんなんだってさ。なんでもつるぎ町ってのは昔、半田町、貞光町、一宇村って名前だったんだそうだ。それが合併したんだって。
つるぎ町…。うーむ。なんか昔親から聞いたことがある地名なんだよな。なんだっけな。うだつ?
このそうめんの特徴は手延めんなのだが、他のやつよりちょっとだけ太い。見た目、ひやむぎやん!って思うぐらい太い。でもひやむぎより細い。そしてそうめんより太い。
だから釜揚げで食べられるのだ。普通のやつで釜揚げにすると、すぐに柔っこくなってデロンデロンになっちゃうからね。でもこの半田そうめんはそれが出来る。
それと賞味期限はとうに過ぎていたけれど、手延べそうめんには実はある特有の効果があるのだそうだ。
そうめんは寝かせると美味しいとよく聞く。3年以上寝かせたものは「土蔵囲い」や「ひねもの」と呼ばれ高級品になる。…が、これは実は手延べそうめんだけに限った事。
手延べそうめんは製法過程で表面に油が使われていて、それで独特なコシを出している。
その油が時間の経過によって、小麦粉に馴染み、酸化するのだそうだ。その時に発生する熱によって小麦粉のたんぱく質が熟成され、発酵する。すると強いコシが加わり、のどごしも良くなるという寸法よ!
つまりは僕は偶然にも半田そうめんを一番美味しい状態でいただいていたのだ。
うっほほーい。
ちなみに、僕は冷たい麺で食べたのだけどさ。次は釜揚げで食べてみたい。麺好きなあなた。ぜひ半田そうめんを一度お試しを。名古屋のきしめんを見た時以来の衝撃だったよ。
この太さで、そうめんを名乗るのか…と。
ブログに広告載せましてん
半田そうめんを食べ終えた後、僕は再びパソコンの前に座る。ここで何度か話を出している先生の所のブログが審査に通り、広告を載せられるようになったので、広告を設置する。これで一応、僕の仕事はおしまい。
ふう。とりあえず僕がやったことの記録。稼げるブログを人に見せるまでの手順。
サーバーを借りる→WordPressをインストールする→ブログのデザインを決める→記事を書く→広告の審査を受ける→広告を配置する。
と、まぁ、ここまでの作業を終えたわけだ。自分のパソコンがない中で、結構なスピードで準備出来たものだ。…と言っても20日ぐらいかかっているが、それは審査に通る為に2週間分の記事が必要だったからね!
ここまでやってしまえば、あとは記事を増やしていくだけで、広告料が自動で振り込まれる生活を手に入れられるわけなのだが、実際はここからが本当の勝負である。
ちょこっとだけブログ講座。姉さんたちに話をした事をここにまとめておこう。
稼げるブログを書く時に意識すること
ブログは中身がなければ読まれない。これは誰もが気がつける事だと思う。だから記事を量産せよ!と。
しかし、それは記事数が増えればいいという事ではありません。
『人気ブログの作り方』的なものを調べたら大抵の人が「中身を充実させることが一番の秘訣」なんて事を書きます。
これはつまり、コピペした記事じゃ意味ないのねん。あなたオリジナルな記事で勝負するのがいいのねん。読んで感謝される記事書こうよ、社長さん!って事なんですが、これもある程度は気がつける事でしょう。
…が!!それを意識しているのに読まれずに、モチベーションがなくなり、更新が止まったブログのなんと多いことか。一番意識しなければならないのは中身の充実なのではないのです!!
もちろん、中身の充実は大切な事ですが、それはブログを本格的にやっていこうと決心している人は、意識しなくてもある程度はクリアされるだろうし、誰かにとって有意義な物が誰かにとっては無意味なものであるように、価値観なんて千差万別。
だから強いメッセージを含む記事を「ある特定の限られた人」に向けて書くという事が、結果的に万人に読まれるようなブログになるわけです。…なんて事を昔の偉い人に言われました。
ビートルズの曲を用いられたりしてね、歌詞を見てみるとわかるけど、「みんな」っていう言葉じゃなくて、すんごーい特定な「Hey Jude♪」なんて感じで歌っているでしょ?
それをJudeでもない僕らが勝手に自分に置き換えて聴く。特定であればあるほど感情移入はしやすい。
…なんてね。つまりは世の中のブログの教科書では、ターゲットを絞って、その人に向けた濃いコンテンツをお届けしなさい!それが人気ブログになる秘訣です!
…と、言われています。
そして僕はそれを5年近く実践しました。
が!それでわかったことがある。
つまり、記事を無数に量産しようが、中身が素晴らしいものであろうが、ある限定されきった特定の人に書こうが、読まれなければ、存在していないのと一緒です。
ということでね、僕は読まれる為に必要なブログの書き方のノウハウを姉さんたちに教えました。
それは一言に尽きます。
検索エンジンに向かって書こう!
って事。検索エンジンとはGoogleやYahoo!やBingなどの事を言いますが、スマホやパソコンが日常的にある生活で、それを使っている人がどうやってブログにたどり着くのかと言えば、ほとんどが検索です。
住所を教えてもらって直接訪ねてくるのではなく、Googleなどを仲介にアクセスしてきてくれるのです。もちろんTwitterなどのSNSからのアクセスもありますが。
んで、問題なのがこの検索エンジンがロボットだって事。
中身が充実した記事だろうがなんだろうが、このロボさんが読み取れなければ意味がない。ドラえも〜ん、ジャイアンにいじめられたよー、なんかいい道具出してよ!!
「What did you say? Please tell me what you did today in English!」
ってな具合に日本語が通じないドラえもんに日本語で言っても何も出してくれないようなもの。
なので、ロボにとって、この記事が一体なんの記事なのか。何について書かれている事なのか。それがどれだけ深い内容に言及しているのかという事をロボがわかる形で伝えねば、検索結果に表示してくれないというわけです。
…とまぁ、こんな事をつらつらと姉さんと先生に述べました。
先生はその話を聞き、ちんぷんかんぷんだったみたいだが、写真なら撮れるという事で素材集めに専念してもらう。
ケータイ電話のカメラで撮ったらあかんのか?と言っていたので設定をみてみる。先生のケータイは当然ながらスマホではなくガラケーだ。
今までの設定ではカメラのサイズが小さくてブログに貼り付けられなかったが、最近買い替えたらしく、カメラの機能も高性能でデカいサイズに変更出来たので、これからバシバシ撮っていただこう。
という事で、文章はあねさんに託された。ファイトじゃ、あねさん!ぷすぷすと頭から煙が出ていた気もするが、またあとでこの記事を読んでもらって理解してもらうことにしよう。
いただこう、ユコウ
いつも山を降りる際に、パチとショウチュウさえあればシアワセというじーやんの家の前を通る。
先生たちがじーやんと呼ぶそのおじいさんは、大抵の場合、勝負をしに出掛けていて、見当たらないのだが、今日はいた。
先生はブログのモデルになって欲しいとじーやんの写真を撮る。
タオルを頭に巻き付け、山を指差すじーやん。バッチリポーズも決めている。それに対してもう少し、あーだこーだと指示を出す先生。そしてその姿を写真に写すあねさん。
僕はその光景を軽トラックの中から眺めていた。
まるで、映画撮影のようだ。
数分の撮影会が終わると、そのお返しというわけではないが、じーやんがユコウという果物をくれた。
ユコウ。
知ってる?
僕は初めて聞いた。
徳島ではすだちが有名だけど、ユコウというすだちより少し大きい柑橘類もあるのだそうだ。高知の方でも作ってるんだってさ。
早速食べてみた。
…すっぱー!!
僕はみかんのような物を想像してみかんのように剥いて食べたが、それを見て先生は笑った。
「それは、そないして食べるもんじゃないけん笑」
おいーっ!事前に教えておいてくださいよー!
はっさくのような食感ですごく酸っぱい。酸っぱさの後に唾液が甘く感じるほど。ビックリするぐらい酸っぱかった。おそらくこれはすだちとかの類と同じく絞って、何かにかけて食べる系のやつだ。
ユコウ。覚えてユコウ。
僕らはユコウをお供につれ、先へ進む。
当たり前の贅沢
今日はガスの交換をするのだそうだ。前にカマドについて言及した時に書いたけれど、山の上にはガスの配管がない。だから必要な時にはガスボンベを使う。
その使い終わったガスボンベと新しいガスボンベを交換してもらった。僕は全く経験がなかったけど、昔はみんなこうだったのかしら?
なかなか重たいボンベで、毎回これを交換せねばならないのかと考えるとちょっとだけ暗い気持ちになった。
そしてこの手間がいらないガス管というのはすごい環境だなと思った。自分が当たり前だと思っている環境は、そうじゃない環境に触れなければ気が付かないものだ。
そう考えると「当たり前」って不思議なものだ。前はそれがないことが当たり前だったのに、今ではそれがある事が当たり前で、無くなったら困ってしまう。以前ならある事がありがたかったのに、今ではありがたさのかけらもない。
有り難い。ありがたい。ある事が珍しい。つまりは当たり前ではない。言葉遊びじゃないけれど、当たり前とは一番感謝から離れているものなのかもしれない。
いつまでもあると思うな親と金。親しき仲にも礼儀あり。
昔から、当たり前だと思ってしまう事こそ大切にせねば失敗するぞ!的なことわざあるし、その心は忘れないようにせねばなんて事をガスボンベ運びながら思ったよ。
腰、痛てぇ…。
ひまわり農産市
ガスボンベの交換を終え、ひまわり農産市という所へ行った。むかし、自立支援の施設のしいたけ工場で働いていた時は、こういう所にしいたけを置きに行ったなぁ〜。なんて事を思い出した。
ちらっと中をのぞかせてもらったが、考えてみればこういう所は地元の商品を扱うわけで、県外の僕からしてみれば絶好のお土産売り場である。
僕は普段あまり旅行をしない人なんだけれど、旅行に行った時はたいていお土産を観光地で買う。そこの地名が書かれたサブレとか、お饅頭とか。
しかし、旅行好きの友人に聞いた話によると、旅行に慣れてくるとお土産はスーパーなどで買うんだそうだ。その場で売られている醤油とか、塩とか充分にお土産になるし、値段も安い。
確かにここに来てみて、こういうのを買った方がもらった方は喜ぶよなぁ〜。お饅頭とかサブレって、だいたい味が一緒だもんなぁ〜。なんて事を思った。
よし。帰宅する時期が来たらもう一度こういう所へ来ることにしよう。
鴨の湯メモリーズ
今日のお風呂は先生と出会った場所である鴨の湯です!3回目です!前回、台風の時に水没していた店ですが、普通に営業しておりました。
…いや、普通に営業とは言ったけれど、お遍路さんを泊めさせてくれるこの小屋。雨で畳が濡れたようで干してあったし、それなりにやはり被害はあったようだ。
今日はいつもより、早い時間に来たので僕は青空の下、露天風呂で山を眺めながらゆっくりと浸からせてもらった。
しかし、どうやらこの時間帯が一番お客さんが混み合う時間のようで、先生は見知った顔の人と色々とお話をしていた。お風呂屋さんが社交場のようだ。
僕は目を閉じ、今では当たり前のようになった徳島弁に耳を傾ける。
あぁ。こういうことか。
お遍路の旅、初日。徳島駅から電車に乗った時に聴こえてきた徳島弁。その響きにいたく感動したものだったが、今の僕はそれを当たり前のように聞いてしまい、感動もしていない。
これがまた埼玉に帰った時に、徳島弁が当たり前じゃなくなった時に、僕は今の環境のありがたさを思い出すんだろうなぁ…。
徳島弁ってテレビじゃあんまり聞けないけど、いい音色を持つ方言だよなぁ。
僕は昔、徳島出身のタレントさんのラジオを聞いていた事を思い出した。そうだった。あれきっかけでザ・すだちと金長まんじゅうを知ったのだった。
徳島はおとくしま!って言ってた。
その徳島にいま、こうして風呂に入っているんだもんなぁ。不思議だなぁ。
そーいえば、前回自転車で徳島に来た時も…
吉野川に射し込む神々しい光を写真に撮っていたし、
たまたま、そこで出逢ったバイク乗りの青年と入った居酒屋で、なると金時もらったり、
すだちを一房まるまるくれたりで、徳島の人ってなんかすごい場所だなぁ〜、なんて事を思ったものだった。
うーむ。のぼせた…。
突然現れるテン!
鴨の湯を後にし、スーパー、ラムーで今日の夕食のお買い物。今日は鍋だ!と喜んで車に飛び込む。
そして小屋に戻る山の道。突然それは現れた。
なんだあれ。今まで見た事ない動物だ、と僕が言うより早いか、先生がテンだ!と叫ぶ。
テンの子供。
まだ子供だからか、警戒心が薄く、なかなか逃げない。それにしてもテンとはなんだ。
テンさん。
さようなら天さん どうか 死なないで
チャオズは一度ドラゴンボールで生き返っている。もう二度と生き返れないんだ!絶対に許さん!!
チャオズ、仇は討ってやるぞ
そして俺も逝く
お前だけに寂しい思いはさせんぞ
こ、これが俺の最期の気功砲だ~!
…というシーンが走馬灯のようによぎって目頭が。
ま、ドラゴンの玉的な冗談はさておき、テンを調べてみると哺乳綱ネコ目イヌ亜目イタチ科テン属って書いてあった。
わ、わからん…。
猫なのか?犬なのか?イタチなのか!?
さようならテンさん どうか 死なないで
心の中で子供のテンにそう告げ、車は更に山を登って行った。
鍋のまにまに、いつのまにまに…
先生は家に帰るなり鍋の準備をする。
あれ?
なんか音がする。
テキパキ、テキパキ、テキパキ。
見事過ぎる手際。どんどん鍋が目の前に出来上がっていく。その圧倒的すぎる手際の良さ。僕が手伝う隙間すらない。は、はえぇ…。
本日じーやんにもらったユコウ。
それをこのように絞って…
先生が作ったそば汁に大根おろしとともに投入!そしてこれも先生が作ったという青鬼という唐辛子を入れて食べる!!
そうだよ、これがユコウの正しい食べ方だ!!
それにしても、この状態に至るまでの時間、およそ2.47秒!!目にも留まらぬ速さとはこの事だ。
僕が2秒ほどだと思っていた10分で鍋の準備が出来た。10分。それは扉を開けてからの時間だ。先生は自慢げに何分だった?と時計を見る。なんという面白い人だろう。
その間、何もせずにポツリと座っていただけの僕は遠慮なく準備していただいた鍋を食べる。
もぐもぐ。
うおおおお。これはクセになる!止まらん。ヤバい。今日、鴨の湯で体重測ったら恐ろしい数字を叩き出していたのに、止められない。ロマンティックは止まらない!!!
クッキーにコーヒー
先生の鍋の準備の手際の良さに見惚れている中、あねさんはと言うと、やたらコーヒーにクッキーをつけるのがオススメだと言っていた。
という事で、今日はクッキーをコーヒーにつけて食べる事を研究しているあねさんに来てもらいました。
タララッタタララ、タララッタタララ、タララッタタラララララタンタンタン♪(キューピーのやつ)
以上、三分間クッキーングでした。ご清聴ありがとうございました。
そうこうしている内に僕は眠たくなりお布団へ入る。
四国歩き遍路日記23日目まとめ
夜になると一層、肌寒くなってきたので電気毛布を出してくれました。この電気毛布、あるのとないのじゃ、段違い!お布団に入る1時間ぐらい前にスイッチを入れておくのが極上。
布団があたたまる間に、空を眺める。台風が去り、今日も星が綺麗に見えます。どうやら次の台風も来ているようだし、少しの間の星を堪能するとしよう。
山の上の星は本当に綺麗だ。見える星の数が違う。そして星を見て冷え切った体を電気毛布で温まった布団が包み込む。
ああ。幸せだ。
僕は夢の中に堕ちていくのでした。
そんな『四国歩き遍路日記23日目』の出来事。