四国歩き遍路日記45日目。この旅の記録は以前、統合失調症の僕が歩きお遍路の旅をしながらその場で公開していた日記ですが、諸事情により公開を辞めてしまったものを再編集したものです。
ちょっとした怪我をしてしまいまして、前回の更新からまたもや間が空いてしまいました。お待ちいただいているあなたには、大変申し訳ないと思っています。ごめんなさい。
色々と語りたい事はございますが、待たせた上に前置きが長くなるなんていう二重苦は回避したい所ですので、早速今日の内容に入っていきましょう。
このブログがどういうものなのかは、他の記事をごらんください。ではでは、再編集版よろしくどうぞ。
四国歩き遍路日記45日目のまえがき
四国歩き遍路日記も45日目になった。45日。キリが良さそうでそうでもない45日。僕の心はどうにもこうにも落ち込んでいる。モヤモヤっとした心。
雲はいいね。空に浮かぶ雲はいい。
雲ひとつない快晴も良いけれど、僕はどちらかと言うと雲がプカプカ浮かんだ空の方が好きなのだ。はっきりとした形を持った雲。僕の心にあるようななんとも言えない霧ではなくて、しっかりとした雲の形。
僕は雲を見ていると、実はあれは島なのではないだろうか?と思うことがある。青空は大きな海で、白い雲に住む人達がいる。そっちの人が本物で、僕らは大きな海に写った鏡の中の住人なのだ。
逆さまの世界。逆さまに生きているから、頭に血がのぼるなんてことが起きる。気持ちが揺れる。
のぼった血を下げる為に、落ち込んだ時は下を向かずに空を見る。空が下で地面が上。本来はそうなのだ。空を見ていると心が落ち着くのはきっとそういう理由なのだと僕は信じている。
さてさて、今日はいつもとは違う一日。最後には頭の中に残る言葉があったのでそれを紹介することにしよう。
→他の日の四国歩き遍路日記はこちらにまとまっています、合わせてどうぞ。
※復刻にあたり、旅先で沢山写真を撮ったものをアップすることにしました。Facebookの方へ高画質のアルバムを作りましたのでよろしければ御覧くださいませ。
叱られる姿を想像して…
3℃である。朝がなかなか冷えてきた。布団から抜けるのも勇気が必要になってきたかもしれん。でも大丈夫。寒さには負けない。寝ている事に少しだけ嫌悪感を抱いてしまう僕は布団から飛び出した。
それにしても今は何時だろう。イヤホンで音楽を聴きながら寝てしまったので目覚ましが聞こえなかった。時計を見ると6時。時間がない。とりあえずいつものルーティンワークを始めねば。
ポットの中の水をすべて取り出し、ヤカンで沸かした熱湯を入れていく。数えてみたら8つほどポットがあったので結構な時間がかかる。
僕はふと流しの所に炊飯器の釜が洗われずに放置してあるのが目に入った。
ん?
これがここにあるという事は、今日の朝に食べるお米はセットされていないのでは?いつもはあねさんが夜にタイマーをセットしてくれているのだが。
お米を炊き忘れて先生に怒られるあねさんの姿が頭に浮かんで来たので、ここは妖精さんの出番である。
流し場に置いてあったカピカピの炊飯器を手早く洗い、お米を入れる。それを凍るような冷たい水で洗米。真っ赤っかになった手のひら。かじかんでしまった手を隣でポーポー鳴っているヤカンの熱気で温める。
よし。セットした。お米の硬さはわからんが、炊飯器の線の通りにしておいた。これでご飯を食べる時間には間に合うだろう。
ヤカンに新しい水を入れ火にかける。そのタイミングで洗濯機のスイッチも入れてきてしまおう。
…まぁ、そんな感じでいつものようにすべてのポットに熱湯を注ぎ終え、先生の机の前にも急須とお茶っ葉、湯呑をセットし、洗濯も完了。朝のルーティンを終えたのである。
ふむ。なかなか効率よく動けるようになってきたな。…しかし、それはつまり毎日の行動がマンネリズム化してきたということでもあるんだよなぁ。
慣れたらいけない。慣れた時に油断し失敗するのだ。
ここ最近のこの時間の写真はいつも一緒になっちゃっているし。ちょっと散歩でも行こう。
訪問者のために
そーいえば、前に東京OLちゃんがここに遊びに来るという話をしたけれど、実を言うとその前に一組の夫婦が泊まりに来ることになった。
そうなると一体、その人達はどこで寝るのだろう?僕が今、寝ている母屋?それとも他に沢山ある小屋の一つ?
でもなぁ。
あえて言おう。小屋は沢山あるのだけれど、それらは今現在、人が泊まれる状態とは言い難いのです。
先生がここに人の受け入れをしなくなった時から完全に時間が停まっている。少なくとも僕がここに来てから一度もその小屋達は使われていない。
家は人が住まないと一気に痛むなんて言われているけれど、まさにその痛みがどの小屋にも見受けられる。
僕はそれが前々から気になっていた。掃き掃除と濡れ雑巾、ワックスをサラッとかけるだけでもだいぶ変わりそうなのだが。今日は時間をもらって小屋の掃除でもするかな。
そんな事を気分転換の散歩がてら小屋の周りを見ながら思った。毎日の生活にも少しずつ変化を与えなければならない。マンネリは敵だ。
新しい訪問者さんがこのタイミングで立て続けに来るというのは何か見えない力的なものがそれを教えてくれているのかもしれないな。
音速の男
さて、マンネリは敵だとか言ったけれども、習慣を身につけることはそれとは違う。毎日やることでしか能力が上がらないものもあるのだ。僕はルーティンワークの仕上げに毎日使っている棒を振り回した。
フッ、ブン。
フッ、ブン。
おや?棒を振った後にブンという声が聞こえてくる。僕はその事に違和感を覚えた。ピカッと光ってゴロゴロと鳴る、あの雷に似た現象じゃないか。
これは僕の棒を振る速さが音速を超えたということではなかろうか?マッハか!?マッハ出ちゃってるのか!?
説明しよう!!
ウルトラマンの飛行速度はマッハ5。マッハとは音の速さの何倍かを表す単位で、ウルトラマンは音速の5倍の速さで飛べるというわけだ。
ちなみにマッハ1を時速に直すとおおよそ1224km。おおよそと書いたのは、音は気温と高度によって変化するものなので、高度0メートルで気温15度の場合なら1224kmになるという事だ。
でも考えてみよう。例えば飛行機が空を飛ぶとなると高度0メートルなんて事はおかしい。なのでマッハ1を1224kmと変換するのはあくまでも机上の空論だ。
では現実問題で考えてみる。飛行機で1万メートル上空を飛ぶとなると気温は下がる。その時マッハ1は時速1080kmほどになるらしい。
つまりは地上より高くなればなるほど、寒くなればなるほど音速は時速に変換した時に遅くなるのである。
では、一旦ここでバットスイングの平均値を見てみよう。プロ野球選手のバットスイングの速さは平均140kmほど。高校生のスイングスピードは平均110kmぐらい。
僕はプロ野球選手でもないし、高校生でもないので、この平均には含まれない。なおかつ棒を振った後にブンという声が聞こえてきた事を考えてみると時速53万ぐらい出ているのでなかろうか。
フッフッフ。私の戦闘力は53万です。
(フリーザ様!!)
は?53万?そんなに速いはずないじゃん!とお思いのあなた。注目してほしいのは単位である。53万kmとは誰も書いていない。
53万「寸」だ!!
1寸とは約30.303mm。つまりは53万寸とは時速約16.06kmなのだ!!
時速16.06kmでは到底音速の速さ、時速1224kmには及ばない。ここが時が止まるほどフリーザー、つまり寒いのであれば話は変わってくるが、山の上と言えども、それほど寒くもない!むしろ快適だ!
では、なぜ棒を振った後にブンブンと聞こえて来たのか。
それは、僕が口でブンブン言ってるからだぁーっ!!!クッソ遅くバットを振った上でブォォーン、ブォーーン!と空を切るような音を真似しているのだ。クリリンのことかー!クリリンのことかー!!
最初に書きました。僕が棒を振った後にブンという「声」が聞こえてくると。違和感を覚えた正体は、こんな事朝から一人でやっている自分ってなんなんだろう!?って事さ。ふふふ。
とまぁ、毎日棒の写真を張って貼っているだけでは芸がないので、ちょっとした茶番を披露したのでした。はい。あなたの大切なお時間を奪ってしまって申し訳ありません。音速の速さで謝罪します。
ブンブン。
先日食べたアレ
さて。素振りから戻って来ると、すでにそこには朝食が用意されていた。どうやら炊飯器のタイマーは上手いこと作動したようだ。非常にシンプルな朝食だけれども、注目して欲しいのは右下のアレである。
あやしい粉。
いやいや、違うその左下のやつ。そうヨーグルト。粉は今、僕が絶賛実験モニター中のとある企業のサンプル品。その時が来たらお話するとしよう。
見よ、このヨーグルトを!!あねさんが作ったカスピ海ヨーグルトに、あねさんが作った桃ジャムをかけて、あねさんが作ったバナナを盛る。あ!!バナナは作ってない!バナナは買ってきたやつ。
もうね、このジャムが最強でね。ジャムってもっと固いもんだと思っていたんだよ。学校給食で出てきたジャムって寒天みたいに固形でそれをこう、スプーンの裏を使って頑張って広げるぅ〜みたいな。
でもこのジャムはもうなんつーの?ジュレ?そう、最近流行りのジュレみたいな感じでヨーグルトと混ざる混ざる。ヨーグルトとジャム、そこにバナナが添えられていれば、これはもうパフェだね。ご馳走だね。王様だね!!
あなたには是非このジャムを食べてみてもらいたいのだけれども…残念ながら諸事情により紹介リンクが貼れないんだ。だから徳島に来たら、とにかくいろんな所へ行ってこの色の桃ジャムを買い漁ってみてくれ。
その中にきっと、僕が食べたこの桃ジャムが入っているはずだ。それを手にしたあなたにはその日から、ご馳走ライフが始まるはずさ!!
残念なことは崖の上
朝食を食べた後、先生たちに小屋の掃除をしたい旨を伝え、掃除機とかバケツとか雑巾などを貸りて掃除に向かった。残念なことと言えば、ビフォーアフターの写真が載せられない事である。
これだけひどかった部屋がこんなにきれいになりました!!的な写真を載せれば一目瞭然、百聞は一見に如かずと言われるようにわかりやすいと思うし、自分の掃除技術をお披露目出来ると思うのだけれども、先日聞いた先生の話を鑑みるに辞めておいたほうが良かろう。
まぁ、それでもいま現在自分の手元に写真が残っているので、それを見ながら文章で伝えられるだけは伝えてみよう。
小屋に到着。「坂の上の家」と看板に書かれている。司馬遼太郎の「坂の上の雲」からとっているのだろうか?
入り口側から見るとその家の名前の由来はわからない。ここは別に坂ではないし、平地にぽつんと家が建っているだけである。しかし、扉を開け、部屋奥のガラス窓を覗くとビックリ!絶壁に建てられた家なのだ。
坂の上の家というよりも崖の上の家と呼ぶのがふさわしいと思う。
試合を諦める
絶壁の窓から見た景色は訪問者の心を掴んではなさないぐらい綺麗だ。…が、その窓がどうにも気になる。白く汚れていて風景にフィルターがかかっているような感じだ。(写真は掃除後)
僕は借りてきた雑巾とバケツを取り出した。
あ…。
そうか。バケツに水を汲んでこなければいけないんだった。5分ぐらいかけて山を登って戻る。
蛇口を捻れば水が出てくる事を当然だと思っていた僕だが、ここではその蛇口そのものの数が少なく、ひとつひとつが遠い。
「あ、あれを忘れた!」なんて事があればボクシング世界チャンピオンでさえ本日の大会出場を辞退するほどスタミナを削られる道を戻らねばならない。
僕は別に世界チャンピオンでもなんでもないけれど、今日の試合の出場は諦める事にした。水汲んで来まーす。
道路標識の角度の話
ふう。水を汲んできた。僕はよく絞った雑巾で窓をゴシゴシ拭きはじめる。絞る時も手が痛くなるのだが、ゴシゴシする時も手が冷たくて痛い。寒さってなんなんだろうね。寒いと痛いってなんでこうも結びつくんだろう。
あ、知ってる?このね「寒さと痛みの関係性」について科学的に解明されたのって本当にここ数年(2016年)らしいよ。
なんか僕らってさ、科学って万能で、世の中の事なんでもかんでもすべて科学で説明されているなんて思ってしまってない?
でもさ、意外と身近な疑問が未だにわかっていない事もあるんだよね。飛行機がなぜ飛ぶのか?がわかっていないなんて事を「99.9%は仮説」って本に書いてあった事を思い出した。
こうやったら飛行機が飛ぶ事はわかっているし、浮力を算出する定理なども見つかってはいるけれど、根本的に、それでなぜ飛行機が飛ぶのかはわかっていないみたいな内容だった気がする。
考えてみれば、あの本に書いてあった事って、先生の考え方に似ているんだよなぁ。物事の二面性とか。常識は仮説に過ぎない事とか。
あくまでも僕らは思い込んでいるだけで、それが真理とは限らない。物事は一つの面だけで捉えては危険。
一つの面で…ってあれ?窓が全然綺麗にならない。それもそのはず。汚れているのは窓の外側なのだ。部屋の中からいくら拭いてもあちら側は綺麗にならない。ふむ。窓でさえ教えてくれるのだなぁ。
仕方がない…。
僕は決意を固めた。あちら側の世界へ行こう。小屋を出て裏側に周る。
うひょー!!やっぱり絶壁だ!!
まつたけ狩りの時を思い出した。あねさんは言っていた。落ちたとしてもどこかしらの木に引っかかるから大丈夫、と。…大丈夫なもんか!これは絶対に大丈夫ではない角度だ。
70度ぐらいはあるだろうか。あ、坂道は%で表現するのか。70%。いや違った。道路標識にかかれているパーセントっていうのは100メートル横移動したときに何%上がっているか?っていう表記なんだそうだ。
ちなみに日本トップクラスの急な坂は30%ほど。チャリの旅で周った時に色々と見たけれど、それ以上の道路標識は見かけたことがない。ちなみに100%の坂っていうのは100m進んだら100m上がっているという事で直角二等辺三角形。つまりは45度だ。
でも今、僕が立っている場所はどう見ても45度以上ある。だって絶壁だからね!!計算ツールみたいなのを使って計算してみたけれど、これが70度の斜面だとしたら道路標識には275%って書かれるほどの坂だ。
275%って限界超え過ぎだろ。僕はその限界坂を背に窓を渾身込めて磨いた。一生懸命磨いた。文字通り一生の命を懸けて磨いた。左手はがっしり窓のふちを掴み、右手でキュッキュと磨いていく。
おお。これは気持ちが良い。年月により溜まっていった窓の汚れが、僕の力によって取り除かれていく。時間を巻き戻していると言っても過言ではないだろう。
時間を操る男、タイムスイーパー野口!つまりは時間掃除人!!
シャキーン!
…よし。
まだ隅っこの方が白く残っているけれど、これが限界だろう。向こうの景色も見えるようになったし、良しとしよう。掃除は楽しい。
床を剥がす
次に僕は小屋の中へ戻り、床掃除に移行する。そこには畳状のゴザと大量の布団、そこでぬくぬくと冬を越そうとしている数々の虫たちと溜まりに溜まったホコリがあった。
正直、虫嫌いな僕は虫を見つけるたびに発狂しそうになったのだが、やると決めたらトコトンやろう。ゾウムシがなんじゃ。パオンパオン!カメムシは怒らす前にチリトリでサッと拾ってパッ!
外の世界へバック・トゥ・ザ・ホーム!繭や蜘蛛の巣も箒でササッと取り除く。タイムスイーパー、タイムスイーパー。時間よ元に戻れー。
ひととおり虫を外へ逃した後は、扉や窓などを全開にする。その小屋はなんというか、原宿のクレープ屋さんのような窓がパカっと上に上がる方式で珍しい。
…説明が下手かな。ドネル・ケバブ屋さんのような、なんての?店員さんが立って商売出来そうな珍しいタイプの窓が崖とは反対側にある。その窓をよいしょっと持ち上げて、つっかえ棒で支えると風通りの良い部屋が出来上がる。
よし。まずは空気の入れ替え完了。それにしてもこの部屋は布団が多いな。これでは掃除が捗らない。よし。一旦、中身を全部、別の小屋へ移すことにしよう。
僕は大量の毛布と布団を抱きかかえ、1分ほど離れている別の小屋へ移した。まぁ、この小屋も次に掃除しなければならないのだけれど、ひとつひとつコツコツやるしかなるまい。
坂の上の家に戻ると、布団達がなくなったせいか、全く別の家に見えた。もうこれで良い気がしてきたのだけれど、どうせなら徹底的にやろう。床の畳状のゴザも剥がしてしまおう。
あらわになった床。これを先生がすべて自分で作ったというのだから驚きだ。プロの仕事でしょう、これ。寸分違わない板。
僕はその板の上をあねさんから借りた掃除機で溜まりに溜まったホコリを吸い込んでいく。ホコリを取ってこの小屋の誇りを取り戻していく…つってね。
それにしてもこの掃除機、リサイクルショップで買ってきたらしいんだけれど、値札のシールはずっとつけっぱなしなんですな。2800円。価格以上の働き。
ん?考えてみればこの小屋ちゃんと電気通っているんだな。掃除機をかけてみて思ったが、小屋を自分で作ってそこに電気も自分で通してって凄すぎない?
僕の無知さとか無力さ加減が嫌になっちゃうよ。本当に僕はなーんも出来ないなぁ…。物知りだと自分では自負していたんだけれども。井の中の蛙大海を知らずだよ、ゲコゲコ。
虫もホコリも綺麗になくなった小屋。僕は固く絞った雑巾で丁寧に拭いた。あぁ。どうせならワックスもかけたくなってきたな。掃除ってやり始めると徹底的にやりたくなる性格。
でもまぁ、なんだかんだで結構時間経っていて、これ以上やるともとに戻せなくなりそうなので、ある程度きれいになった床にゴザを敷き、お布団をセットした。
よし。なんか旅館の予約サイトにありそうなぐらい綺麗な部屋になった。やれば出来る子!
異世界空間
小屋を移動した。
次は大ボス。数ある小屋の中でひときわ大きく、入り口の扉も木ではなくシロガネーゼの方々が使っていそうな非常にアンティークな風貌を持つ鋼鉄の扉の小屋である。
あねさんたちはそこをたけのこハウスと呼んでいた。前にここで障害を持つ子どもたちがレクリエーションをやっていた頃はこの小屋でみんなで一緒に何かを作ったりしていたらしい。
その名残りなのか、ここはとにかく物が多い。掃除が大変そうだ。大きな机と、その下には大量の本、よくわからない発泡スチロールの箱、そしてホコリを被ったCDラジカセである。
音楽好きな僕はそのラジカセがどうしても気になり、コンセントに繋いでみた。お、動きそうだ。再生ボタンを探し押してみる。
♪〜♪♪〜♪
流れてきた曲はジャズだった。おっしゃれーぃ!!僕はその音楽を聴きながら掃除を開始する。くるりんくるりん回りながら、ダンスをしながら掃除をする。
ミュージカル映画とかって、ストーリーの途中で急に歌いだしたりするけど、まさにあんな感じ。僕は踊りながら掃除機をかける。ブオーーーンブオーンという吸引音がジャズとコラボする。
時々スイッチをオン・オフにして、ぶぉぶぉぶぉぉおおん。とアドリブ入れる僕。ジョン・コルトレーンの気分さ。My Favorite Thingsを聴きながら僕は掃除を楽しんだ。そうだ。京都に行こう。
なんだか、腹が減ったな。僕は空に浮かぶドーナツみたいな雲を見てそう思った。時計を見ると針はてっぺんを指している。もうこんな時間なのか。時間が過ぎるのが早い。
CDラジカセの電源を切り、食事をする所に戻った。先生はまだそこにはいなかったが、今日はあねさんが朝から出かけて行ったのでお昼は僕と先生二人で食べる事になっている。準備に入るとしよう。
たまご、たまご、たまご〜♪
まぁ、準備に入ると言っても、大方はあねさんがやってくれていたので、僕はお皿に盛り付けるだけだ。
盛り付けるだけ。そうは申しましても、盛り付けるというのは美的センスが必要でありましてね、僕は本当にそういう類の感覚をすべて川に流して生まれてきたらしい。
どうにもこうにも美味しそうに見えない。なんでだろうね。お店の盛り付けってこんな感じじゃない?カレーが真ん中に盛ってあって、外をたまごが囲っているっていう。
あぁ。そうか。わかったぞ。プチトマトだ。プチトマトを卵の間に挟むのが足りないのだな。…いや、レタスか?緑色が足りないのか?ええーい。もう良い。お腹に入れば一緒だろ!(よくある言い訳)
…食べ物を美味しそうに盛り付ける事が出来る人、本当に尊敬します。
はさみって挟んでる?
見た目はともかくとして美味しい昼食をとった後は、掃除に戻っても良かったのだけれど、なんとなく何も手伝っていないのが申し訳ない気がして、僕は干しいも制作の手伝いをすることにした。
今日は重さを測って袋詰だ。
大量の発泡スチロールのパックの上に100gずつ干しいもを乗せていく。大きいものと小さいもの、乾いたものと水分を少し多く含んでいるもの、バランスよく入れて100gにしなければならない。
測り終えた後は、それらをピンセットでつまんで綺麗に袋に並べて詰めていく。
僕は思った。ピンセット。これこそ物を挟んで使うのだから、はさみだよな。いや、つまんでいるわけだから「つまみ」なのか?ピンセットって日本語に訳すと何なんだろう。
気になった事は調べなければ気が済まない僕は、仕事を一旦ストップさせ、ピンセットの日本語名を調べた。
へい、Google!ピンセットって日本語で何ていうの?
「鑷子(せっし)です」
うひょー!!一度も聴いたことない単語キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
かねへんに耳が3つの子供?なんか拷問器具みたいで怖い!!
ホワンホワンホワンホワンホワワワーン(回想シーン)
お金が落ちる音を聴き、集まってきた子供達。子供に取られてなるものか!と思ったお金の持ち主はピンセットを取り出し、見境なしにそこらじゅうをつまんでいく。
「へいへーい。そんなんではさまれたって痛くもなんともないやい!」
つままれるだけではビクともしない子供達。持ち主は頭に血がのぼり、ピンセットの先端をヤスリで削って鋭い刃物にしました。チョキチョキチョキ。
「イッヒッヒッヒ、大人をナメると痛い目見るよー!!」
「うわーー。ごめんなさい。そんなのではさまないでー!」
「なんだい?はさまれたって痛くもなんともないんだろう?ほれほれー」
かねへんに「夾」ではさみ。ここにも3つの人がいて、よく見れば大と人が入り交じる。いや、「人」自体は2人に減っている。あっ・・・(察し)
「大人をナメるなー!!」
こうして、よく切れるピンセットは「はさみ」という名前になったのでした。「せっし挟まずんば鋏と呼ばず」という漢文がありますよね?あれがそうなのです(てきとー)。
…仕事に集中しなければ。そう思ったが、仕事はこんなありもしない妄想に浸っている間にすでに完了していた。自分のオート作業モードすげー。無意識でも手が勝手に動くっていうね。
さて今日はこれから出かけるらしい。ちょっと早いが行く所が数ヶ所あるようだ。
僕は出来上がった干しいもをいつもの場所に移動させ、外出の準備をした。そんな時である。訪問者の車の音が聞こえた。
父からの届け物。彩果の宝石と…
訪問者は宅配便のおじさんだった。送り主は僕の父。先日電話で話をしていたさいたまのお菓子がもう届いた。埼玉から徳島。不思議なもんだ。
ダンボールを開けるとそこには、お菓子の箱がふた箱入っていた。
下の箱は前にも詳しく紹介した、さいたま市のお菓子の彩果の宝石。
上の箱は大正元年創業という長い歴史を持つお菓子屋さん「花見」の白鷺宝。
その昔、浦和花見の二代目が、野田の鷺山の清らかな水辺にたたずむ鷺の麗しい姿に魅入られ「また来年も、この地で出会えるように」と想いをこめて作り上げられたのが白鷺宝です。
引用:白鷺宝|菓匠花見
と公式サイトに紹介されておる。浦和ってのはさいたま市の合併前の県庁所在地。野田は醤油で有名な千葉県野田市の事ではなく、浦和市にある地名で、鳥の鷺が有名だったのだね。
僕も埼玉にいた頃は、散歩コースに鷺山公園という所を通っていたんだけれど、人が少なく池の綺麗な、いい場所なのだよ。ひと目が怖い僕としては夜に歩くのに最適な場所。池に映る月と街灯が綺麗でしてね。
まぁ、そんな水辺にたたずむ鷺は今では見られなくなってしまったけれど、その想いがこもっている甘ーいお菓子は今も健在と。
白鷺宝はおばあちゃんの家に行くと必ず机に出ているお菓子って印象が強くて、長いこと食べていなかったし、名前すら知らなかったんだけれど、大人になってからふと思い出して親から名前聞いて食べてみたらこれがドハマリ。
甘い物好きでさえも「甘すぎる!」って言うぐらい強烈な甘さなんだけれど、それが贅沢って感じでいいんだよねぇ。
…あ!語っている場合ではなかった。この白鷺宝の開封レビューは後でするとして、もう出かけなければならない。
おそらく今日は、先生のご実家に行く日なので、子どもたちに持っていってあげるのだろう。先生は彩果の宝石を車に詰め込むように指示をした。
…ふふふ。きっと喧嘩になることであろう。まぁ、この一番でかいサイズだから一個しか入っていない味なんてものはすぐにわからないとは思うが。
それにしてもうちの両親には感謝せねばならぬな。これ結構高いはずなんだが。
お父さん、お母さん、ありがとうございます。
睡魔に勝つ方法
さてさて、彩果の宝石を腰に提げ、山を降りていく先生と僕。
今日はいつもよりも山を降りる時間が早いので空が綺麗な真っ青だ。
このぐらいの時間帯の太陽の光の差し込み具合が一番、山の紅葉が綺麗に見えると先生は説明してくれた。確かに。
いつもは夕日が落ちる頃なので、オレンジ色の光でボヤケてしまうけれど、今の時間の光は白っぽい光なので、紅葉のオレンジが映える!
しばらく先生と話をしながらドライブを楽しむ。先生の最近の興味は政治らしい。ここ数日で同じ話を3回ほど聴いたのだが、何度聴いても面白いのが不思議な所だ。
しかし。
睡魔というものはいつも突然である。まぶたが重い。重力コントロールセンターにでも入ってしまったのかと思うぐらい、まぶたが持ち上がらない。
ちくしょー!
ここで寝てしまっては失礼だし、先生との時間がもったいない!!
こういう時は息を止める。ひたすら息を止める。すると突然睡魔がフッと消えていく瞬間に出逢える。
これはきっと、頭の中の酸素が足らなくなり、脳がグルングルンと酸素を捕まえようと活発になる為だと僕は思っているんだが、大学浪人中に生み出した技だ。
よい子は絶対にマネはしないでね。
さかなへんの漢字
そうこうしている間に目的地に着いた。先生は「ここでちょっと待っていてくれるか?」と車を降りてトコトコとどこかへ歩いて行ってしまった。
暇になった僕は、車のダッシュボードにあった手ぬぐいを手にとった。
そこにはさかなへんの漢字が羅列してあった。
よ、読めねぇ…。
僕は魚が小さい頃から苦手なのだが、うちの母親はお寿司屋さんで働いていたのもあり、家にはよく魚が出てきた。僕以外全員が魚が好きっていうのもあり、僕は我慢して食べなければならないのだが、ひとつだけ魚で好きな事があった。
それが漢字である。
「さかなへんに春で、さわら。これは春に美味しくなる魚」
こんな感じでうちの母は小さい時に魚の漢字を教えてくれたものだ。
…それにしても、全然読めない。さかなへんに鬼ってなんやねん。角生えとるんか!?
ポチポチっと(スマホで調べる)。
「さかなへんに鬼でイトウです。釣り人にとって幻の魚と呼ばれています」
な、なるほどな!鬼って幻だもんな!
さかなへんに神?なんじゃ?長年生きてヌシになったとか?魚の神様かぁ。
「鰰ではたはたです。雷がなり(神様が降りてきて)海が荒れると捕れる魚です」
まじかー!!魚の漢字面白いな。
ちなみにこの魚の漢字の羅列の湯呑をお寿司屋さんでよく見かけるけれど、あれは“すし屋華屋与兵衛”っていう人が江戸時代に考え出した物らしいよ。
握り寿司の始祖とされる人物も華屋与兵衛という説があるんだけれど、華屋与兵衛ってすげーな。
ファミレスにも華屋与兵衛ってあるけど、この名前にあやかりたくなる気持ちもわかるな。
そんなこんなで先生が帰ってくるまで、僕はさかなへんの漢字で遊んでいたのであった。ちなみに、この手ぬぐいに書かれている漢字でさかなへんなのに魚の名前じゃないやつもあるんだよ〜。暇な時に検索してみてくだされ。
なんでも知ってると思うなよ
先生が戻ってきたので、次なる目的地へ出発。今日はなんだか雲が美味しいそうな形をしているな。
あぁ。結構早く出てきた気はしていたのだけれど、もう太陽が沈み始めているよ。一日が過ぎるのは本当に早いね。
僕は外に広がるなにかの畑を見ていたのだが、遠くの遠くのはるか遠くにお城みたいなものが見えたのが気になった。あれ!?徳島ってお城あるの!?
いや、これは失礼。調べたら結構沢山のお城が残っているらしい。ちなみに調べる前に先生にあれってお城ですか?って聞いたら「知らん」って言われた(笑)
なんでも知っていると思うなよって事だな。僕も埼玉の事聞かれてもわからん事ばっかりだもんな。それに先生はもともとは徳島の人ではないしな。
聞くことは良いけれど、何でもかんでも教えてー!ってのはいかん。自分で調べた上でわからなかったら尋ねるという癖をつける事にしよう。
ということで、スマホで調べてみたけど、あれはきっと“撫養城”と呼ばれるお城であろう。近くにスタジアムみたいなの見えるしおそらくアレがポカリスエットスタジアムだな。
ポカリスエットとかカロリーメイトで有名な大塚製薬も徳島の会社だ。これは先生に教えてもらった。
あ!考えてみれば、旅前にお父さんにお遍路終わったらここに寄ってきたらいいよって言われていた大塚国際美術館って、大塚製薬の大塚なのかな!?
美術館だけじゃなく、ちらほら見えるバカでかい工場も大塚製薬のもののようだ。
大塚製薬、すげーなー。まさに徳島に城を築いているようなもんだ。大塚国際美術館、必ず行ってみよう。
あやしい粉の正体
さてさて。次なる目的地に着いた。ここはこの日記にも何回か登場している専務の会社だ。朝ごはんに出てきたあやしい粉っていうのは、ここで製造しているおからを粉末にしたものなのだ。
おからクッキーって昔流行ったけど、おからパウダーにはダイエット効果が見込めるのではないか?と僕は食べているのである。
専務は一週間の内の半分以上は空の上を飛んでどこかへ行っているほど出張が多いのだけれど、今日も出張帰りで今さっき帰ってきたばかりらしい。
ふぐ骨せんべいか〜。山口県に行ったのだな。僕もチャリの旅の時に山口県まで行った経験がある。唐戸市場という所で1000円でふぐ刺しを一皿食べた事を思い出した。あれが人生ではじめてのふぐだった。
専務と先生は仕事の話を色々としていたので、僕は黙々と出してもらった紅芋タルトや生わらび餅を食べていた。
すると先生はこんな事を言った。
「ちょっとこの子預かっていてくれるか?」
…へ?
抜けないトンネルはない
今日はどうやら先生は大忙しで色々な人に会いに行かねばならない日らしい。専務に僕の事を託し、トラックでどこかへ行ってしまった。
残された専務と僕。
困った…。僕は人見知りなのだ。…いや、人見知りというのとは違うな。人との無言状態が苦手なのだ。なんというか、まだあまり仲良くない人と一緒にいると胸の動悸がひどくなる。
「なんや、お前、まだおるんか?」
専務は僕の気まずい空気を読み取ってくれたのか、優しそうな声で笑いながら言った。
あ、はい。ちょっとやりたい事があって、それが終わるまでは居させてもらおうと思って。
「遍路はどうするんな?」
遍路は必ず周ります。
「それにしても、お前も変わってるなー。あいつ(先生)も変わっているけれど、お前も相当やで」
そうですかね。先生って変わってますかね。なんか僕としては、やっと理想的な人に会えたなーって感じなんですけど。僕からしてみると周りの人の方が変なのであって…。
「遍路に来た理由はなんなん?」
えーっと、まぁ、話すと長くなるんであれなんですが、10年近くずーっと悩んで悩んでどうしようもなかったので、救いを求めての遍路ですかね。
「まー、野口くん、お前の事はよくわからんが、ちょっと話をして俺はお前の事を気に入った。でも、もうちょっとやなーとも思う。あんなー、抜けないトンネルはないんやから、自分で過去のページをめくらねばならない時もあるわな」
なんていうんですかね。過去の事もあるんですけど、どうしても人と上手くいかなくなっちゃったんですよね。
「あのな、昔、外国で1000億ドル使ったプロジェクトみたいなのがあったんや。各分野の天才ばかりを集めて最強のチームを作ってドームに移住させた。そこで極秘の研究を続けさせたんだけれど3年でパーになってもうた」
え…。なんでなんですか?天才ばかりでしょ?
「まぁ、つまりはな完璧な人間ではあかんちゅーことや。人間はどこか不完全だから上手くいくんや。あいつ(先生)も頭が良くて行動的だけれど、どこか抜けとる所あるやろ。人間はみんなどこかで矛盾しとるんや、それが人間や」
なるほど…。完璧主義思考の僕には耳が痛くなる話だなぁ。
「悩みがなさそうに見える人にも悩みがあるし、それでえーんちゃうか。完璧である必要なんてない」
抜けないトンネルはないかー。確かに言われてみればそうかもしれない。
しかもトンネルだったって気がつくのは抜け出た後なんだよな。お先真っ暗だって思うことでも、ずっと前に進み続けていれば、いつかは光が見えてきて、トンネルだった事に気がつく。
ふむふむ。専務は名言メーカーだなぁ。さすが専務と呼ばれているだけで本当はこの会社の会長なだけある。
それにしても、僕はすごい経験しているなぁ。普通に部屋にこもっていたなら会社の会長とお話するなんてあり得ない事だもんな。
そんなふうに専務と語っていると先生が帰ってきた。あたりはすっかり真っ暗になっていた。僕は専務にお礼を言って次なる目的地へ向かった。
彩果の宝石争奪戦。勝者は…
今日の最終目的地は先生のご自宅である。僕は到着するなり、父親が送ってくれた彩果の宝石の菓子折りを先生の奥さんに渡した。
それを見たお孫さんたちは一斉にその箱に群がる。
来たぞ来たぞ。これでゼリーの取り合いになるのさ。これが彩果の宝石の魔力なのさ。
…と、思ったのだが戦争は起きなかった。
なぜなら、先生の奥さんの一人勝ちだったからだ。
「あー!!これ埼玉のお菓子でしょう!?私、これ大好きなのよー。知り合いが関東に行くことがあったら必ずお願いしているお菓子。前まで近くのデパートで取り扱いがあったんだけど、手に入らなくなっちゃって困っていたのよね!!」
先生の奥さんは興奮気味にそういった。そして子どもたちに適当にひとつふたつゼリーを渡し、箱をタンスの中にしまってしまった(笑)。
先生の奥さんはもともとが関東の人で、結婚してから四国に来たらしいのだけれど、普段はそれとは全くわからないぐらい徳島弁が身についている。
しかし、彩果の宝石の事を語っている時の言葉は完全に標準語だった。
…うん。とりあえず彩果の宝石を喜んでもらえて嬉しいですよ僕は。ふとタンスを見ると一番上のお姉ちゃんがこっそりと先生の奥さんにバレないように新しい味のゼリーを手に入れていた。
宝石という名がついているのも伊達ではないな…。
そんなこんなやり取りがあって、しばらくすると、あねさんが用事を済まして家にやって来たので、一緒にご飯を食べた。
毎回本当にご馳走をだしていただける。本当にありがたい。
そしていつもどおり僕は何回もご飯のおかわりをし、みんなが食べ終わってテレビを見に行ってしまった後にも食卓でむしゃむしゃと食べていたのであった。
…あ。先生の奥さんがごはんの後に彩果の宝石を独り占めして食べてる(笑)。
そこに偶然戻ってきたあねさん。
「あれ?なんなんそれ?」
あ、これ、僕のお父さんが埼玉から送ってきてくれたお菓子なんですよ。
「へー。一個ちょうだいな」
あねさんのその言葉に渋々差し出す先生の奥さん。
開いたガマ口こそが一番のチャンスだと知っている僕は、先生も食べていないだろうから、山の上にもちょこっと持ち帰りましょう。と宝石をごっそり奪うことに成功した。
そんなこんなで僕らはいつものように山の上に帰る。
人にゴミと呼ばれても…
山の上に戻った僕らは、早速机に残しておいた白鷺宝のお菓子を開封した。
わぉ!!こんなに大量の白鷺宝を見たのはじめてだよ!18個入ってるな。種類もノーマルだけじゃなくて、高砂、玉しずく、茶ちゃ、かふぇ、杏と今まで食べたことないものが入っている!!
うひょー!!食べたいなぁっ!!
でもなぁ、これは先生やあねさんの為に送ってもらったものだからなぁ。僕は埼玉に帰れば食べられるわけで。
…ま、でも同じ味が6個あるからね。ノーマルのやつを食べてしまおう!!
こんな感じで包まれています。ぶっちゃけ密封性なんて全くないガバガバの包み方です。良い言い方をすれば優しい包み方です。
友達にお薦めした事があったんだけれども、この姿を見て、「間違ってゴミもらったのかと思った」と言っておりました。人は見た目が9割とか言うからね、
これって人は見た目が大切って事なのか、それとも人はどんな事も見た目で判断するってことなのか、どちらなんだろう。
ま、でも外見って大事だよね。そして第一印象って大切だよね。でも、何よりも大切なのは中身だ!外見ソコソコ、第一印象まぁまぁの僕が言う。中身がクソ野郎だとみんな離れていくぞ!!ってか、離れていったぞ!
四国歩き遍路日記45日目まとめ
うむ。自分語りは良いとして、これが白鷺宝の中身です。結構綺麗でしょう?白餡のあんこ玉をホワイトなミルクで覆っているお菓子です。
先生たちに、相当甘いので覚悟して食べてくださいって言って食べてもらったら、「そうでもないよなー?これいけるで?」とおっしゃっておりました。
ぐぬぬ。人は第一印象が大切。もしかしたらハードルを上げすぎたかも。
友達はこれを食べた後に、「一回食べたらもういいかなって味だった」って言ってたけれども。僕はこれ、時々むしょうに食べたくなるんだけどなぁ…。
ま、何が言いたいのかと言うと、まとめとか言っておいて白鷺宝の話しかしてないじゃんって事だ。
白鷺宝、ひとつお口に放ってみれば、文明開化の音がする。
今日は結構頑張って文章書いてみたけれど、読み返してみるとヒドイ内容だな。ピンセットと鋏のくだりは忘れてください。とりあえず僕の頭には「抜けないトンネルはない」という専務の言葉が響いているのでした。
抜けるといいな、僕のこのモヤモヤした悩みの日々。
ではでは『四国歩き遍路日記45日目』でした。