落とし物を拾った事があなたにはありますか?もしかしたら拾う機会に遭遇せず、その対処法を知らない人もいるんじゃないでしょうか。
「落とし物をする人と拾う人。どちらが多いのだろうか?」
なんて疑問をふと思い浮かべてみましたが、落とすから拾うのであって、拾えない場所に落ちる事も考えると、落とし物を拾う人の方が少なくなるんですよね。
そんな中で実は僕はよくよく落とし物を拾うのです。というか、さっきも落とし物を拾ったのです。うんこ踏まないように下を向きながら気をつけて歩いている最中にね!
んで、ぶっちゃけですよ?
あまり大きな声では言えませんが、物を拾ったときに出てくるわけです。「この落とし物は届けるべきか?どうか?」という天使と悪魔の囁きが。
そして今回も、その囁きが聞こえてきました。その結果、僕はパトカーに乗ることになったのです。
これからその体験談を書いていきます。もしあなたが今後、どこかで落とし物を拾う事があった時、どんな行動をとったらベストなのか?失敗しない為にも知識を共有しておきます。
落とし物を拾ったのはお米のせいなんだ
風が吹けば桶屋が儲かるということわざがありますが、もしそれを今回の落とし物の話に当てはめるとすれば、スタートは家で食べているお米の銘柄を変えたことになります。
コシヒカリやあきたこまち、ひとめぼれ。日本には様々な種類のお米がありますが、どれが一番美味しいなんてぶっちゃけ好みの問題じゃないですか。
前にテレビで島田紳助さんが「お米は新潟や秋田が有名だけれど、実は島根県がアツいねん」と仁多米を紹介していたのをみて、マジかー!注文せねば!と米を変えてみた事がありました。
結果、今まで食べていたお米の方が美味しくて、家で食べているお米ってクオリティ高かったんだな…と認識するだけでした。
そんな中でですよ、最近見つけてしまったのです。クッソ僕好みのお米を。
それが新之助というお米。
このお米、粒が大きくて、若干粘りっけが強いのが特徴なんですが、何よりもまず、冷めた後におにぎりにして食べると超絶美味いんですよ!!
ご飯炊くでしょ?普通にお茶碗で食事するでしょ?そして2時間後ぐらいに冷めたお米をおにぎりにして食べるっていうルーチンワークが出来上がったんですよ。あまりにも新之助のおにぎりが美味しすぎて。
結果、1ヶ月で5キロ太りました。お米1袋分、まるまる体重に変わったのです。
そして僕は夜に歩くことを決意しました。
落とし物を拾ったのは半月の輝く夜だった
実は今年の春に僕は膝を負傷しまして、それ以来夜に歩くことを辞めていたんですが、流石に5kgは太り過ぎ。これはいかんと歩こうと思いました。
しかし。今年の夏の終わりの季節は夕方になるととにかく雨が降るのです。僕の歩く時間を見計らってゲリラ豪雨が降るのです。こりゃー御天道様が歩くのはやめろと言っているのだなぁ…と新之助のおにぎりをもぐもぐしながら空を眺める僕。
「おいこら、御天道様のせいにすんじゃねー」と言わんばかりに綺麗に半月が見える夜がありました。
これは珍しい。こんなに晴れた夜は久しぶりだ。これは絶対に歩かねばならぬ。僕はそう思い、イヤホン片手に歩き始めるのです。
僕はウルフルズのあそぼうをエンドレスリピートしてひたすら夜の道路を歩きまわりました。この曲、楽しく歩くには最適のリズムなんですよね。ちょっと速歩きになりますが。
楽しそうに歩く僕。地面に見える影さえもスキップし始めるようであった。この頃はまだ街灯もあり、非常に楽しい散歩道だったのを覚えています。
落とし物を拾うまで1時間半ほど歩いた
辺りはすっかり暗くなり、街灯もまばらになった頃。僕は暗闇に負けじと大爆音でウルフルズを聴いていました。周りに誰もいないのでちょっぴり歌ったりしちゃってね。
すると突然、僕の体はバランスを崩してコケたのです。
え?え?え?なんか今蹴った!
イヤホンを外し、周りをキョロキョロする僕。聞こえるコオロギの鳴き声。僕がつまづいたであろう場所には何やら四角い白いものが落ちていました。
なんだあれ?
落とし物は…
拾ってみると、それはパスケースでした。落とし物マスターの僕は、とりあえずすぐにその場所を写真で撮りました。
ほとんど何も映っていないけどいいのです。拾った場所と拾った時間があとで確認出来れば良いのです。すごいよね、写真にGPSと時刻が記録されるんですぜ。
さて。
中に入っていたのは、電車のicカードであるSuicaと高校の通学バスの定期券と領収書。うーむ。これはもう期限が切れているのだろうか。なぜこんな道のど真ん中に落ちているのだろう。つまづいてしもうたやないか。
まず、僕の頭の中に浮かんだのはこうでした。
たまに要るんだよな、要らなくなった定期券とか道に捨てていく人。
とりあえず期限を確認する僕。
あ…。4日前に更新したばかりですやん。1ヶ月更新だったからまだ25日ぐらい残っていますやん。
そして次に思ったのはこうでした。
と、言うのも僕が拾ったその場所は、通学バスの定期券にかかれていた高校の真ん前。高校から家に帰るには、その定期券を使い、バスや電車に乗らねばなりません。
バスにも乗れずに困り果てる高校生の姿を頭に浮かべ、僕はその高校へ届けてあげる事にしました。だって目の前に高校があるからね。
高校の門をくぐり、守衛さん的な人がいないかキョロキョロ探す僕。彼らがいれば落とし物ですよーと手渡しして一件落着。
…が、しかし。
誰もいない。
それもそのはず。時刻は21時半。空には半月がポツンと光を放っているだけで、高校の校舎は不気味に沈黙を続けておりました。
あれ…。もしかしてこれって、夜の校舎に巨大な不審者が現れてキョロキョロしている案件が発生ってPTAに話題上がっちゃうんじゃね?
ひゃー。若干、被害妄想気味の僕は胸のドキドキが止まらなくなりました。一旦高校の門から外へ飛び出す僕。
うーむ。困った。どうしたもんか。そこで僕の頭の中の天使と悪魔がささやき始めるのです。
僕はその場で考え込みました。どうしたもんか。このまま地面に置いて、何事もなかったかのように散歩を再開してしまおうか。うーむ。
その場をうろちょろする僕。
するとそこに暗闇の中に煌々と光る自動販売機がありました。
最近の自動販売機はすごいものですね。Suicaなどでピッとやると残高確認が出来てしまうのです。僕は何気なく拾ったパスケースをそのセンサーに当ててみました。
「94円」
僕はそのパスケースにもう一度目を落としました。
あ。
バス定期券の方にガッツリ名前が書いてある。
そこに書かれた名前は、10年前に僕が離婚した奥さんの名前と同じ名前が書かれていました。
なんという偶然。
まぁ、別にそれほど珍しい名前ではなかったけれども、漢字まで一緒か〜。なんとなく僕は昔読んだ本に同じような状況があったよなと思い浮かべ、そのパスケースを交番に届けることに決めました。
スマホでGoogle Map検索して、近くの交番を検索。2kmほどで交番はある模様。
僕はトボトボと足を進めました。ふう。やっかいな事になってきやがったぜ。
落とし物を届けに交番に到着すると…
※写真はイメージです。
30分ほどかけて歩いてたどり着いた交番。そこにあるのは赤々と光るランプだけ。
はるばる散歩コースから外れ歩いてきたというのに、その交番には誰もいませんでした。ちくしょー!
僕は手に持っていたパスケースを地面に叩きつけてやりたい気分になってきました。なんで拾ってしもうたんや。なんでこのパスケースにつまづいてしもうたんや…。ぐすん。
しかし、そこには別れた奥さんの名前。
呪い。これは呪いなんだ。空を見上げると半月が僕をあざ笑っているように思いました。
「へへへ。左を見てごらん」
月がそんな事を言うのです。
あ。
「不在の時に御用のかたはこちらから」と書かれたプレートの上に電話が設置されていました。
なんとはなしに受話器を手に取り耳に当てる僕。
プルルルル。
プルルルルルル。
「はい、こちら○○警察です」
繋がりました。知らない人との電話が極端に苦手な僕はドキドキする胸をおさえ、警察の方に落とし物を拾った事、場所、時間をつげました。
「あー、今その交番には人がいなくてですね、ちょっと待っててもらえますか?」
ちょっと?うーむ。人によって“ちょっと”の感覚って違うのではないかしら?と思った僕は、どのぐらいですか?と尋ねました。
「車で巡回している警察官がいまして、そちらに向かいますので待っててくれますか?」
ぐぬー。質問に答えてくれてないやん。何分待てばよいのー。汗をかいた体が冷えてきた僕は、もう一度、今度は少し言葉を立てて、何分ぐらいですか?と聞きました。
「20分ほどで向かえると思います。お車でお待ちですか?」
いや、徒歩です。
「それでは、念の為にお名前と連絡先教えておいてもらえますか?」
そう聞かれた僕は、なぜか自分の連絡先を教えたら逮捕されるのでは?という思いにかられ、どもってしまった。あ、あ、あの、あんまり電話番号とか教えたくないんですけど。
「あ、それでは名前で結構ですよー」
の、の、野口です。
「それでは到着まで少々お待ち下さい」
ぷおー。緊張したー!
べ、別に悪いこと何もしてないんだけどね、なんかパトカーとか見たら体こわばってしまうのよね。なんだろね、生まれながらにして人間は悪人だから(性悪説)とか信じちゃっているからかしら。
人は生まれながらにして悪人。しかし、人生を送っていく上でその事に気が付き、善人として生きようと努力するのである。
って感じでね、僕はこうして何かしらの自分の罪を償う為に、落とし物を届けるわけなのだな〜。とかなんとか思いながら、交番の前で体育座りをして待つこと15分。
目の前をパトカーが通り、「落とし物拾っていただいた野口さんですか?」と確認される。
は、はい。そうです!!
意外と早くに着いたなーなんて事を思いながら、僕は立ち上がりました。
そして、警察官との問答が始まるのです。
落とし物を交番に届けるとこうなる
※もう一度言いますが写真はイメージです。
到着した警察官にパスケースを手渡し、拾った場所、拾った時間、拾った状況などを伝えました。
地図があまり読めない僕は、ケータイでさっき取った写真のGPSを提示し、ここです。ここらへんで拾いましたーと説明。警察官は手に持っていた地図と照らし合わせて、何やらメモを取っていました。
あれだけ渋っていた僕が、サラリと自分の名前と住所、連絡先を警察官に伝える。
野原の野に、マウスの口で野口です。住所は〇〇です。普段はパソコンで仕事をしていまして、ずっと座りっぱなしなので、運動しようと思って、散歩していました。家から結構離れていますが、2時間ぐらい歩いているんで。えへへ。
落とし物を拾った場所が自宅から結構離れている事が怪しく思われないだろうか…なんて心配になって来た僕は、早口で聞かれてもいないことをペラペラと喋りはじめました。
そして警察官はこう言ったのです。
「あのー、この落とし物、落とし主に届けた事をお知らせしたほうがいいですか?」
ん?
あ!これは!まさか、ニュースのやつでは!
最近、警察官が落とし物を自分のものにしてしまって逮捕されるというニュースがやっていたのです。
自分で正義を名乗るヤツに、ろくなヤツはおらんがや
引用:デジモンアドベンチャー02第12話より
昔観ていたデジモンアドベンチャー02というアニメでアルマジモンというモンスターがこんなセリフを言っていたのを思い出しました。
その言葉で一瞬にして、目の前の警察官さん2人に敵対心を抱いた僕は、落とし主からお礼のセリフ聞きたいです!と強めの口調で答えていました。
すると警察官は急に裁判官が文章をなぞるような口調で、淡々ととある言葉を唱え始めるのです。
「野口さんには相手に5パーセントから20パーセントの謝礼を要求できる権利が発生します」
しゃ、謝礼?話がおかしな方に転がっていく!!
えーっと、謝礼は別にいらないんっすけど、相手の人から届いたよーって連絡もらいたいんすけど。
「とりあえずこれから〇〇警察署に来てもらっていいですか?書類書いてもらう必要があるので」
えー!!
あのー、ここに交番あるじゃないっすか。と、僕は赤いランプが弱々しく光る交番の方を指差した。
「私達、〇〇警察署のものでして、ここの鍵持っていないんですよ」
僕は心の奥で、精一杯のなんでやねんを叫んだ。
落とし物と警察官とパトカー
僕は何度もここの交番じゃ駄目なんですか?と聞き続けたが、どうにもこうにも駄目らしい。
「〇〇警察署なんですけど、野口さんの移動手段は?」
えっと、僕は徒歩でして、歩いて向かうので1時間ぐらい待っててもらえますか?
「それではパトカーにお乗り下さい」
ぱ、ぱ、パトカーっすか!?
「パトカーでお送りしますよ」
ぐぬぬ。パトカーなんてそうそう乗れるもんじゃないけども…。まさかバス定期券拾ってパトカーに乗ることになるとは思わなんだ。
あ、じゃあ、ご厚意に甘えてパトカーに乗せてもらえますか。めったに無いことですもんね。そうですよね。ね。
僕は出来る限りの道化を装って大きな体をパトカーに押し込めたのでした。
落とし物を拾ってパトカーに乗った感想
車内は僕の体が大きいのもあるけれど、助手席の人が座席を後ろに引いていたため、非常に狭く、体を斜めにくねって耐えねばならなかった。
僕のイメージでは、お巡りさんというのは意外と世間話好きで話しかけてくれるものだと思っていたけれど、車内は警察署に到着するまで終始無言であった。時折聞こえてくるのは無線のモゴモゴした音声だけである。
それにしても、パトカーの窓から流れる景色は、僕が1時間前に通って来た道そのままである。猛スピードで巻き戻されていくその景色達。
この気持ちは2年前に2日かけて歩いた四国遍路道を車で1時間足らずで走り抜けたあの感情に似ている。
つまりは、何やってるんだろ自分。
警察署に到着。そこには若い女性が待っていた!
おそらくパトカーに乗っていた時間は10分ほどだったでしょうか。真っ暗な道から徐々に街灯が増え、街が明るく見えてきました。
警察署につくと、その前には一人の若く可愛らしい女性が待っていました。
おお!これはもしかして、パスケースの落とし主なのでは!?
と、若干心を踊らせていた僕を横目に、警察官はその女性にこう言いました。
「落とし物を拾ったと連絡くださった人ですか?」
「はい、そうです」
あー。なんだ違う人かー。っていうか世の中には意外とたくさんの落とし物を拾う人がいるもんなんだな。
警察官はその女性に僕と同じような質問をいくつかしました。どうやら、その女性は図書カードを拾ったみたいだ。
「この落とし物、落とし主に届けた事をお知らせしたほうがいいですか?」
「いいえ、結構ですよー」
…。
それでおしまいである。女性はスタスタスタと踵を返して街へ消えていきました。
僕はと言えば、それから警察署に入り、30分ほど書類作成に時間をとられることになる。
なんてこったい!僕は選択肢を間違えたのかもしれないぞ…。
落とし物を拾うと同じことを2度聞かれる
警察署でパソコンの前に座った警察官は、僕に質問を始めた。
お名前は?
住所は?
どこで拾いましたか?
何時に拾いましたか?
落とし主からの連絡は必要ですか?
その落とし主に野口さんの連絡先を教えて構いませんか?
謝礼は要求しますか?
僕は少しめまいを覚えた。おそらく人生最速のデジャヴである。
…さっき赤いランプの前で全部しゃべりましたやん。それにメモ取っていましたやん。全く同じ問答ですやん。
やんやーん。
僕は出来る限り無意味な時間にしないように、知りたいと思うことを質問してみることにした。
あれなんですねー。やっぱりパソコン触る時って手袋するんっすね。キーボード汚れちゃいますもんね。僕もパソコン触る仕事なんですけど、最近掃除したら結構汚かったんですよー。
「いえ、これは落とし物を触りますので手袋をしているだけです」
あ、実は僕、むかしに自転車の旅に出た事ありましてね、そのときも電車の定期券拾った事あったんですよ。たしかあれは岐阜だったかな?自転車で行ってたんで、自分の住所言った時にあまりに遠かったので怪しまれましてね。大変でしたよー。ハッハッハー。
「お話中すいません、何時頃拾ったんでしたっけ?」
…こ、コミュニケーションって難しーよー。
そんなこんなで僕は一枚の書類にサインをし、落とし物に対する注意書き的な紙を受け取り、警察署をあとにしたのでした。
僕はなんとも言えぬ感情を胸に、駅にあったエスカレーターを登ったり、下ったりをしばらく繰り返しました。
…僕は何かを間違えたのだろうか。うーむ。
落とし物を拾ってから10日後
あの落とし物を拾った日から10日。季節も変わってきたのか、夕立ちに打たれる事もなくなり、毎日夕方あたりになると散歩をしつつ空を眺める日々を送っておりました。
最近のiPhoneってすごいよね。これ、普通に家から歩いているなんでも無い道から見える夕日だよ?綺麗に撮れるもんだぜ。
とか言いながら、夕日を見ると胸が切なくなり、ふと思うことがあるのです。
あれ?落とし主から連絡来なくね?
と。
あのパスケースには名前が書かれていました。学校名も書かれていました。どこの誰だかわかっているのだから、10日も連絡がないのはおかしいのではなかろうかと。
そんな事を思いながら夕日を眺める毎日です。
そしてそれは落とし物を届けてから15日経った日の事。警察署から電話がかかってきました。
「落とし物は無事に落とし主に届きましたので」
ありがとうございます。
電話は切れた。
まぁ、あれだよな。警察署は事務的作業に時間掛かるもんな。落とし主に届いたのはもっと早くて、その確認の電話が来るまでの時間がかかったんだろうな、きっと。
僕はそう思っていました。
だがしかし…。
「落とし物を拾ったら警察に届ける」は思い込み
※写真はPlaystation VRで遊ぶ母です。
警察から電話がかかってきた次の日、落とし主さんは未成年だったため、保護者の方が電話をかけて来て下さいました。
お礼を言われて、あー、ちゃんと届いたんだな良かったと思ったのですが、僕にはどうしても気になる事があったので、ひとつだけ質問をさせてもらいました。
いつ届きましたか?
「えっと、昨日連絡が来て取りに行きました」
えー!!昨日!!
拾った日から2週間以上経っている!
僕が拾ったものは定期券なので、日が経てば経つほど、その価値は下がるというもの。せっかく購入から4日目に拾ったのに、使える日はもう10日程しか残っていないのです。
ま、まじかー。
僕があなたに伝えたいのは、警察の仕事が遅いという事ではありません。
そもそも警察の仕事の定義は街の便利屋さんではないのです。
個人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防、公安の維持並びに他の法令の執行等の職権職務を忠実に遂行すること等を任務とする
引用:警察官職務執行法
ま、率直に言えば治安維持ですね。
落とし物を拾い、落とし主に届けるに至るまでにトラブルが生じないようにしてくれるのが警察。
つまりは僕が書いた書類ってのは、落とし物を拾った物に対する権利、拾得者なんだーと法律的に定義するために必要なだけだったのです。トラブルを産まないためにね。
…難しい。そんな話どうでもいいんっす。僕が知ってほしいのは次の事です。
実はですね、知らなかったんですけど、落とし物を拾ったら2つの届け先があるんです。
一つは警察。一つは施設です。
そう。落とし物を拾ったら拾った場所の施設の管理者に提出することも出来るのです!
考えてみれば当然なのかもしれませんが、デパートとかで落とし物拾ったらデパートの窓口に届けますもんね。
僕の場合は学校の近くで拾ったので、学校に届けても法律的に良かったはずなのです。ま、管理者がそこから警察に届けたりする必要があるのかもしれませんし、道路だったのであれを施設内とは言わないと言われたらそれまでですけど…。
きっとあの時、次の日に学校に届けようって決断していれば、もっと早くに落とし主に届けられていたのではないかと考えるとちょっと申し訳ないなぁ〜という気持ちが沸き上がってきます。
あーぁ。
落とし物を拾った時の後日談
落とし主から電話がかかってきた数日後、なんか小包のような物が届きました。あれ?Amazonでなんか購入したっけな?なんて思いながら宛先を見てみてもそこには何も書いていない。
「客意により未記入」
なんだろう。なんか怖い。
中を開けてみると…
鎌倉半月というお菓子でした。
半月…。
あ!あの落とし主からのお礼かな。そうだとしたら、ますます悪いことしたなぁ。定期代が高くついてしまっただろうな。本当に申し訳ない。
…それにしても、なぜあの日が半月だったと知っているんだろう。
だ、誰かに見られているのか!!
僕は常に誰かに見られているのではないか?という思い込みが頭を離れず、常に正しい人間でいなければなと思ったのでした。
ではでは、落とし物を拾って警察に届けたらという体験談でした。落とし物にはお気をつけて。僕も体重を落とさないとなぁ〜。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
野口明人
追伸:
ちなみに、これを読んで、落とし物を拾ったぐらいで、相手にお礼を請求するなんて、なんて意地汚い人間なんだと思った人もいるかもしれません。
ただ、僕が昔読んだ本に書いてあったのです。人は恩を返さずにいると精神的負担になると。
返報性のルールっていうらしいんですけどね。どうやら社会的に、もらってばかりで何も与えない人が嫌われるのと同じように、与えるばかりで何も受け取ろうとしない人も嫌われるみたいで、社会のコミュニケーションは返報性のルールによってまわっていると言い切る学者もいるらしいのです。
そういう事が頭に浮かんだので、とりあえず受け取ってもいいし、受け取らなくてもいいと選択の余地を残したほうが、相手にとって良いのかなと考えて書類にチェックしました。
ま、言い訳臭いですけどね。やっぱり僕はなにか相手に親切にしたら、相手からも優しくしてほしいという心を持ってしまういやらしい人間なのかもしれません。
ということで、ここまで読んでくれてありがとう!
パトカーに乗った貴重な体験が出来て楽しかった!