- 2018/07/09
- 2019/10/14
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『麦の海に沈む果実』の世界観は完成されている!…けど死人が。
麦の海に沈む果実を読み終えて、恩田陸の作品だけを読みはじめてちょうど10作品目になりました。発表年順に恩田陸をひたすら読んで感想を書くという企画を勝手に自分の中でやっていたわけですが、10個目という事でちょうど区切りもいいし、なんとなくここに書く…
麦の海に沈む果実を読み終えて、恩田陸の作品だけを読みはじめてちょうど10作品目になりました。発表年順に恩田陸をひたすら読んで感想を書くという企画を勝手に自分の中でやっていたわけですが、10個目という事でちょうど区切りもいいし、なんとなくここに書く…
『ネバーランド』は恩田陸の9番目の作品になるのだろうか。出版順に読んでるわけだが、この作品にはマイッタ。なにがマイッタって前回読んだ『月の裏側』のトラウマレベルのホラーから一変して、あまりに僕好みの青春小説だったからだ。ブンブン振り回されて感情を…
『月の裏側』を読んで暫くの間、悪夢にうなされていた。文章を読んでトラウマになる。どこに行ってもどこにいてもあの光景が思い出されてしまう。それほど多くの読者を獲得したとは言い難い作品みたいだけれど、僕にとっては今までで一番パンチが効いた作品だった…
『木曜組曲』を読み終えた後、恩田陸の「どやっ!」という声が聞こえてくるような気がした。今まで発表してきた作品の良いところを総取りして、悪いところを全て直して、パーフェクトな形で提示出来たでしょ!?とでも言うような『木曜組曲』。これは面白い作品だ…
『象と耳鳴り』を手に取り、ページをめくると見えてきた文章。“きょうは、ようへんてんもくのよるだ。”…なんと美しい響きの文章だろうと思った。全く意味はわからなかったが、妙に惹きつける。これは楽しみだと読み始めたのだが、なんだが読みにくい。過去の恩田陸…
『光の帝国―常野物語』という文庫末にある解説のタイトルは「もう人間でいたくないあなたに」というものであった。実は読書の時間の中でも、作品を読み終えた後にたどり着く解説が存外好きな僕なのだが、この本を読み始める前に我慢できずに解説部分をチラ見してしまった。そして出てきたのが久美沙織の「もう人間でいたくないあなたに」だった
『三月は深き紅の淵を』という小説。手にとって最初に思ったのは、出版順で読んでいる恩田陸の小説のタイトルの付け方の中で一番アクロバティックだな、と。文字でタイトルをじっと見つめ、目を閉じて口に出して言ってみる。するとどうにも「サンガツハフカキクレナイノフチヲ」というフレーズが思い出せない。「三月は」と「紅」という言葉は…